研究課題/領域番号 |
22K01199
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分05050:刑事法学関連
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
五十嵐 禎人 千葉大学, 社会精神保健教育研究センター, 教授 (40332374)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 精神鑑定 / 司法精神医学 / 刑事訴訟法 |
研究開始時の研究の概要 |
刑事訴訟法に基づく鑑定留置中の被鑑定人の処遇の実態は明らかではなく、ガイドラインも存在しない。本研究では、鑑定留置中の被鑑定人の処遇の実態を明らかにし、鑑定留置中の処遇に関する鑑定人の懸念や対処方法に関する意見を聴取したうえで、刑事精神鑑定の実施に造詣の深い精神科医と法曹実務家・法律学者で、被鑑定人の処遇について検討し、刑事訴訟法に基づく鑑定留置中の被鑑定人の処遇に関するガイドラインの策定をめざす。
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研究実績の概要 |
刑事精神鑑定は、刑法・刑事訴訟法をはじめとしたさまざまな関連法規とも関係するものであり、精神医学と法律学の学際領域の課題である。医療観察法や裁判員裁判法の施行に伴い、刑事精神鑑定をめぐる新たな議論が行われ、刑事精神鑑定における法曹と精神科医との間の役割分担は明確となった。しかし、刑事訴訟法に基づく鑑定留置中の被鑑定人の処遇については、その実態を含め不明な現状にある。刑事訴訟法に基づく鑑定留置に類似する医療観察法鑑定入院中の対象者の処遇については実務で参照可能なガイドラインが示されているのに対して、精神科病院に鑑定留置中の被鑑定人については、ガイドラインは存在しない。鑑定留置は、被鑑定人の身柄を拘束して行われるものであり、刑事訴訟法に基づく鑑定留置の現状は、被鑑定人の人権擁護の観点からも見過ごすことはできない。 本研究は、刑事訴訟法に基づく鑑定留置の実態を明らかにし、鑑定留置中の処遇に関する鑑定人の懸念や対処方法に関する意見を聴取したうえで、刑事精神鑑定の実施に造詣の深い、精神科医と法律学者・弁護士とが協働して、刑事訴訟法に基づく鑑定留置中のあるべき姿について検討し、刑事訴訟法に基づく鑑定留置中の被鑑定人の処遇に関するガイドラインの策定を行うことを目的としている。 令和4年度は、各地で刑事精神鑑定を行っている若手を中心とした日本司法精神医学会会員の精神科医を研究協力者として、研究班を組織した。研究班会議で、研究協力者各位の刑事精神鑑定の経験、鑑定留置、特に精神科病院への鑑定留置の実施状況、鑑定留置中に感じた法的・倫理的な問題やその解決方法などについて議論を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究班会議を開催し、刑事精神鑑定の実施状況、鑑定留置中に感じた法的・倫理的な問題に関する論点について議論を行い、現状の課題を明らかにしたが、令和5年度実施予定のアンケート調査の調査項目確定にまでは至らなかったため。
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今後の研究の推進方策 |
令和5年度は、研究班会議を開催し、アンケート調査の項目を検討し、調査票を確定したうえで、日本司法精神医学会会員を対象としたアンケート調査を実施し、鑑定留置を伴う刑事精神鑑定の実施状況や鑑定留置中の被鑑定人の処遇の実態を把握し、鑑定留置中の被鑑定人の処遇に関する鑑定人の懸念やそれに対する対処法に関する意見を把握する。また、諸外国における刑事精神鑑定に関するガイドラインやその運用状況について調査を行う。 令和6年度は、前年度までに行ったアンケート調査の結果ならびに諸外国における刑事精神鑑定ガイドラインに関する調査結果に基づいて、研究班会議で検討を行う。研究班会議には、精神科医だけでなく、刑事精神鑑定に造詣の深い法律学者・弁護士にも参加を要請し、そこでの議論をもとに、刑事訴訟法に基づく鑑定留置中の被鑑定人の処遇に関するガイドラインの策定を行う予定である。
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