研究課題/領域番号 |
22K01200
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分05050:刑事法学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
川出 敏裕 東京大学, 大学院法学政治学研究科(法学部), 教授 (80214592)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 損害回復 / 犯罪被害給付制度 / 犯罪被害補償制度 / 犯罪被害者 / 和解 / 損害賠償命令 / 加害者と被害者の和解 |
研究開始時の研究の概要 |
犯罪被害者の保護の一環として、刑事司法制度の中でその被害回復を図るための法改正や運用がなされてきたが、被害者側からは、十分な被害弁償がなされていないとして、更なる制度改正を求める意見がある。本研究は、主としてドイツの議論を参考として、刑罰、刑事司法と損害回復がどのような関係にあるのかという根本的な問題に遡ったうえで、実体法、手続法の両面において、刑事司法制度の中で損害回復を図ることが、どのような理由で正当化されるのかを検討し、実体法と手続法を含む制度の改正に向けた提言を行おうとするものである。
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研究実績の概要 |
研究年度の2年目にあたる今年度は,いわゆる犯罪被害補償制度について,日本とドイツの制度の比較研究を行った。 まず日本においては,2023年8月に警察庁に設置された「犯罪被害給付制度の抜本的強化に関する有識者検討会」において,犯罪被害給付制度の改善についての検討が開始されたため,その議事録を詳細に検討した。それにより,犯罪被害給付制度の理解を深めることができたが,同検討会は,あくまで,民事訴訟における損害賠償額も見据えて,算定方法を見直すことによる給付水準の大幅な引上げを目指したものであるため,犯罪被害者の経済的支援という観点からは,その提言には限界もある。その点は,取りまとめ報告書の中でも,残された課題として指摘がなされており,それらを次年度の検討課題したいと考えている。 一方,ドイツにおいては,2023年12月に,被害者補償法(Opferentschaedigungsgesetz)が,社会法典(SGB)の中に組み込まれるかたちで廃止されるという動きがあった。これにより,ドイツの犯罪被害者補償制度は,例えば,戦争被害や,予防接種による健康被害などとならぶ,いわば社会的な被害の補償制度の一環であることが,より一層明らかになった。わが国の犯罪被害給付制度の創設の際には,ドイツの制度も参考にされているが,上記の点で異なる側面を有しており,今後の犯罪被害補償制度を考えるうえで,参考になるものと考えられる。そこで,本年の改正の経緯を含めて,ドイツにおける犯罪被害者への補償制度の歴史と内容について検討を加えた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度に予定していたドイツの現地調査が,訪問予定先との調整がつかず実現できなかったため。
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今後の研究の推進方策 |
来年度は,本研究の最終年度となるため,これまでの研究の成果をまとめたうえで,提言を行いたいと考えている。
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