研究課題/領域番号 |
22K01204
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分05050:刑事法学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
高山 佳奈子 京都大学, 法学研究科, 教授 (30251432)
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研究分担者 |
平山 幹子 関西学院大学, 法学部, 教授 (10388754)
辻本 典央 近畿大学, 法学部, 教授 (60378510)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 経済刑法 / 比較刑法 / 証券犯罪 / 科学的捜査 / 市場規制 / エンフォースメント / 比較刑事法 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究課題では、刑事法を中心としつつ、 ・「市場の規制原理に立ち返った検討によって予測可能性を保障する実体的考察」 ・「日本の手続的人権保障と国際共助との双方の水準を向上させる手続法的考察」 ・「国際的に相異なる実体・手続規制が交錯する場合の刑事法(制裁法)適用法の整理」 を目指す。それらの分析にあたっては、近年のヨーロッパおよび東アジアの立法・政策動向を主に参照する。
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研究実績の概要 |
1.国際シンポジウム オンライン(一部の参加者は数名ずつサテライトに集まる)形式による国際シンポジウム「第6回日中経済刑法研究会」を2022年5月7日に開催し、「企業会計をめぐる犯罪――役員報酬と有価証券報告書について」、「DPF事業者に対する責任追及の動向」、「デジタルプラットフォームの競争法における現状と課題、刑事法との接点」、「情報の取扱いに係るDPFビジネスの刑事規制」などをテーマとしてとり上げた。日本側からは研究代表者・分担者の全員が登壇した。中国側は、中国刑法学協会会長・副会長を始めとする著名な研究者44名および若手研究者多数が参加し、日本側と合わせて約100名の参加があった。中国側の協力研究機関は、中国刑法学協会のほか、上海市法学会刑法学研究会、華東政法大学刑事法学研究院、華東政法大学中国法治戦略研究センターであった。この研究集会のレポート記事が、中国の学術関連情報インターネットサイトで公表されている。 https://www.eshukan.com/academic/show.aspx?id=42436&cid=28 2.定例研究会 研究分担者およびその他のメンバーにより開催している関西経済刑法研究会において、今年度は4回の研究会を実施した。2022年4月9日には、上記シンポジウムの準備として「華東政法大学との国際共同研究にむけて」をテーマとした。7月3日の研究会では「AI・アルゴリズム取引とインサイダー取引規制」、「違法な税務調査がなされたことの立証上の問題と違法収集証拠排除」をとり上げた。10月29日の研究会は「誤振込と財産犯――阿武町誤振込事件の現段階――」をテーマとした。2023年2月11日には「プレサンスコーポレーション事件について」、「青梅市建設工事談合事件について」というテーマをとり上げた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
メンバーの所属する関西経済刑法研究会と、従来中国の武漢大学・華東政法大学とで継続的に進めてきた経済刑法の比較研究会は、コロナ禍のため、対面開催が延期されてきており、計画どおりに実施できなかった。しかし、オンラインでの国際シンポジウムが開催できたことにより、中国刑法学界全体から著名研究者から若手研究者まで含む幅広い参加を得られたので、不足分を補って余りある成果だと考えられる。交換業績や学会報告は、おおむね計画されたとおりに進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
延期中の国際シンポジウムの対面開催を復活させるほか、オンラインも利用した単発の国際セミナー・研究集会を積極的に開催して、各国の立法の指針となるような提言を出して行きたい。日本刑法学会関連の行事や、海外大学の研究集会の機会も利用する。とり上げるテーマとしては、最近の証券犯罪をめぐる判例・学説の状況、暗号資産等の新しい対象に関する法規制のあり方、コロナ禍で深刻化した新しい財産犯の手口と国際犯罪ネットワークに対する捜査などを含む、最新の犯罪情勢の分析と解釈論・立法論的対応を中心に考えている。
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