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物上保証の構造と規制のあり方――「他人の債務のための担保」の理論の構築を目指して

研究課題

研究課題/領域番号 22K01221
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分05060:民事法学関連
研究機関北海道大学

研究代表者

齋藤 由起  北海道大学, 法学研究科, 教授 (40400072)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
キーワード担保 / 保証 / 物上保証 / 倒産手続 / フランス / 資産 / 民法 / 担保法改正 / フランス法
研究開始時の研究の概要

本研究は、人的保証と物上保証を「他人のための債務の担保」という観点から捉え直し、両者の比較分析を通じてこれらの核となる原則を明らかにし、他人の債務のための担保としての統一的な法解釈・法規制の可能性と限界を探るものである。
そのために、日本とは異なる体系の下で、物上保証の性質論についての議論の蓄積があるるフランス法を参照し、同法と対比しながら、日本法の理解を相対化し、担保形態にかかわらず他人の債務のための担保全般に貫かれる軸となる共通原則と各担保形態に内在する制約との関係で変形させるべき原則を明らかにする。

研究実績の概要

日本法について、本年度は、物上保証人の処遇が問題となった種々の裁判例の分析、および物上保証概念に関する学説の検討を行った。また、進行中の担保法改正についての議論の最新状況を継続的にフォローした。2023年1月に公表された日本の動産・債権担保法改正中間試案について、同年2月に、フランス語圏(フランス・ベルギー・ルクセンブルク)の担保法の専門家からの意見聴取のための国際シンポジウムが開催され、その質問票の作成・調整役・司会として参加したが、この成果を書籍の一部として共著として公表した。
フランス法について、2021年フランス担保法改正オルドナンスについては、改正後の最新の議論も踏まえつつ、2022年2月の日仏法学会において共同報告を行った片山直也教授との共著による論文を公表した。フランスにおける物上保証概念とその規制のあり方を理解する上では、事業融資をめぐる個人資産の保護に向けた政策を広く理解する必要があるが、個人事業者の資産(事業資産と個人資産)の分離を一般化した2022年2月14日の法律第172号について、個人事業者が自己の事業上の負債を担保するために自己の個人資産に属する物的担保を設定したり、保証人となることの可否について議論について検討を行った、同法律については、フランスの専門家による講演会も行い、その成果を翻訳として公表した。また、フランス倒産手続法の2021年改正による、再建型手続における救済計画における債権者の処遇や担保の処遇についても、検討を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度は、日本法における物上保証をめぐる裁判例の分析及び学説の検討を本格的に開始するとともに、2021年に改正のあったフランス法担保法・倒産手続法の検討を着実に進展させることができた。

今後の研究の推進方策

今後は、日本における物上保証をめぐる議論の検討をさらに進めて、日本法における物上保証論の輪郭を描き出すとともに、課題を明らかにする。
フランス法については、担保法・倒産手続法に関する最新の議論・立法の動向のフォローを続けるとともに、物上保証の処遇について、従来の判例及び学説の分析を進めていく。2024年9月にフランス・モンペリエにおいて開催される担保法および倒産手続法の展開に関する国際シンポジウムに参加予定であるため、同シンポジウムのための報告準備および他の報告者の報告およびシンポジウムでのディスカッションから得られる知見を、本研究を進めるために大いに生かしていきたい。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (6件)

すべて 2024 2023 2022

すべて 雑誌論文 (5件) (うちオープンアクセス 1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 「2021年フランス担保法改正オルドナンスの概要――動産・債権担保を中心に」2023

    • 著者名/発表者名
      片山直也,齋藤由起
    • 雑誌名

      日仏法学

      巻: 32 ページ: 67-103

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 【翻訳】「個人事業者の資産分離について――2022年2月14日の法律第172号――」2023

    • 著者名/発表者名
      マリー=エレーヌ モンセリエ=ボン,荻野奈緒,齋藤由起(共訳)
    • 雑誌名

      同志社法学

      巻: 75巻5号 ページ: 227-259

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 「フランスにおける債権担保法制の現在地」2022

    • 著者名/発表者名
      齋藤由起
    • 雑誌名

      藤原正則・池田清治・曽野裕夫・遠山純弘・林誠司編『松久三四彦先生古稀記念 時効・民事法制度の新展開』(信山社、2922年8月)

      巻: - ページ: 611-636

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 「保証と時効」2022

    • 著者名/発表者名
      齋藤由起
    • 雑誌名

      千葉恵美子=潮見佳男=片山直也編『Law Practice民法Ⅰ総則・物権編〔第5版〕』(商事法務)

      巻: - ページ: 177-184

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 「二〇二一年フランス担保法改正オルドナンスによる民法典の改正 ――人的担保及び物的担保(動産担保)に関する条文の翻訳ならびに共和国大統領に対する報告書による解説――」2022

    • 著者名/発表者名
      片山直也=齋藤由起訳
    • 雑誌名

      法學研究

      巻: 95巻11号 ページ: 65-129

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [図書] 『動産債権担保法制の国際的位相――担保法制の見直しに関する中間試案の検討』(『第4編フランス語部会編』をシャルル・ジズベール教授,ミシェル・グレゴワール教授,ハネス・ヴェスタンドルフ判事,片山直也教授,瀬戸口祐基准教授と共同担当)2024

    • 著者名/発表者名
      青木則幸,片山直也,水津太郎,道垣内弘人編
    • 総ページ数
      376
    • 出版者
      成文堂
    • ISBN
      9784792328047
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

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公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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