研究課題/領域番号 |
22K01242
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分05060:民事法学関連
|
研究機関 | 龍谷大学 |
研究代表者 |
中田 邦博 龍谷大学, 法学部, 教授 (00222414)
|
研究分担者 |
高嶌 英弘 京都産業大学, 法学部, 教授 (70216646)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | ドイツ法 / EU法 / UWG / デジタル化 / デジタルプラットフォーム / 現代化 / 不正競争防止法 / EU私法 / 契約法 / 比較法 / 消費者法 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、ドイツ契約法の中核を形成する契約自由の原則に焦点を当て、その現代的な変容過程の分析を通じて、日本法への示唆を得ることにある。ドイツ契約法は、EU法の影響を受けつつも、独自の教義学的伝統の下で新たな展開をみせている。ドイツ法の原理的な転換点は、2002年債務法現代化により、「消費者契約」に関する法規定を民法典に組み入れる統合モデルを採用したことにある。本研究は、ドイツでのこうした展開に着目しつつ、今後の「あるべき契約法の姿」を探ることを意図する。それは、わが国の民法・契約法の現代化にとって重要な意味を持つものとなろう。
|
研究実績の概要 |
本研究の計画に従って、研究作業を行った。第1に、ドイツ契約法の現代化の過程の分析を継続した。その際、デジタル化の要請にどのような対応をしているのかという点を意識して分析を行った。EUの現代化指令、消費者権利指令、オンライン・デジタルコンテンツ契約、動産売買指令等のドイツ法(とくに契約法、UWG)への影響にも着目し、必要な文献を収集した。第2に、契約法的な観点から、インターネット取引の法的構造の解明を行い、プラットフォーム仲介者の法的責任のあり方の分析を継続した。この問題に関する研究者ネットワークを形成し、情報を収集し、共同研究を組織し、分析を行った。第3に、EU不公正取引方法指令の改正がもたらす現代化・デジタル化への対応としてのドイツ不正競争防止法の改正内容について分析した論稿を公表した。 また、次のような具体的な作業も継続した。①ドイツ契約法の現代化現象の分析を、ドイツ契約法と消費者法との関係、とりわけ私法理論との関係に着目して行った。これらの成果を前提とし比較法な知見を生かして日本法の分析を継続した。②ドイツ契約法の現代化現象としてヨーロッパ的なレベルでの展開を理解するために、ケッツ『ヨーロッパ契約法〔第2版〕』の翻訳作業に継続して取り組んだ。③デジタルプラットフォーム取引に関する問題、とくに責任の理論問題について検討を行った。その成果の一部について公表し、これに関連する比較法研究を組織した。④ドイツ法やEU法の最新の動向に関する情報収集のためにマックス・プランク外国私法・国際私法研究所およびヨーロッパ法研究所(ELI)での研究会に参加し、それらを通じて人的ネットワークを発展させた。ブッシュ教授とのデジタルプラットフォーム研究について意見交換を行い、国際的な共同研究作業を継続している。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
コロナ禍の影響も限定的となり、国際的な交流を行い、比較法的な研究を進めることができた。また、EU法の現代化、デジタル化によって、ドイツ法もそうした方向性を取り入れ、公正な契約の在り方を模索しており、大きな変化をみいだすことができた。研究会も開催しており、比較法学会および日本消費者法学会での報告も準備している。
|
今後の研究の推進方策 |
ブッシュ教授との国際共同研究を基軸に、国際的な交流を進め、デジタルプラットフォーム取引の契約関係をヨーロッパ法やドイツ法的な視点から検討する。学会報告を行い、学会および実務に寄与することを行う。定期的な研究会およびセミナーを通じて、共同研究を促進する。
|