研究課題/領域番号 |
22K01247
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分05060:民事法学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
池田 悠太 東北大学, 法学研究科, 准教授 (10779458)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2025年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 中川善之助 / 我妻栄 / 身分法 / 身分行為 / 身分 / 家族 / 社会学 / 法社会学 / 要式行為 / 地位 / 民事身分 |
研究開始時の研究の概要 |
人間の社会を民法学は、「権利」や「義務」から成る「権利義務関係」すなわち「法関係(法律関係)」として捉えてきた。もっとも、実際のところ、それらとは異なる何かが民法学において今も語られているのではないか。そうであるとすればそのことはいかなる意味を持つのか。本研究では、このような問いを通じて、人間の社会を民法学はどのように捉えるのかという問いに取り組む。現代日本社会に生起する諸問題の応用的な研究にもつながりうる基礎的な研究として、具体的には「身分」の概念を取り上げ、まずは主として中川善之助の身分論やフランスの身分論の検討を手がかりとする。
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研究実績の概要 |
本研究は、その開始時において、中川善之助の身分論及びフランスの身分論の検討を手がかりとして行われるものとして計画されたものであり、昨年度末においても、引き続きその両者の検討を進めることが予定されていたところ、本年度は、第一に、中川善之助の身分論について、我妻栄の身分論とあわせて検討を行った。その結果、『新訂親族法』『身分法の基礎理論』『身分法の総則的課題』を主たる検討対象とする「中川善之助の家族法学に関する一考察」と題する論文を脱稿するとともに、『親族法』の内外における我妻の身分法学について検討する論文「我妻栄の家族法学に関する一考察」を脱稿した。いずれも未公刊であるが、近く出版が予定されている。第二に、フランスの身分論については、主に再構成家族という具体的な問題を切り口として検討を行った。パリ第2大学における「日本における再構成家族」と題する報告が、その主たる成果である。また、性別変更に関する最高裁令和5年10月25日大法廷決定や日本の成年後見法についてフランス語で行った検討は、必然的に日仏の身分論の比較を伴うものであった。以上が本年度における本研究の中心部分に当たると言えるが、そのほか、身分論が法学と社会学との関係という問題との関係においても考察に値するという問題意識を昨年度から引き継いで引き続き検討を進めた。民法(学)と社会との接近と乖離の様子を描写した「日本における民法(学)と社会」と題する論文が、その主たる成果であるが、日仏の民法改正についてフランス語で行った一連の検討も、民法(学)と社会との関係についての考察を含む。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
中川善之助の身分論をはじめとする日本の身分論について一定の理解をまとめることができ、フランスの身分論についても検討を進めることができたため。
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今後の研究の推進方策 |
日本の身分論について引き続き検討を進めるとともに、フランスの身分論についての検討を進めることを予定している。その際には、身分という観点だけでは十分な検討のための素材が得られない可能性があるため、現在のフランスの議論に内在する観点をもうまく取り入れたい。
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