研究課題/領域番号 |
22K01257
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分05060:民事法学関連
|
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
徳本 穰 九州大学, 法学研究院, 教授 (40294863)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2026年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2025年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
|
キーワード | 敵対的買収 / 対抗措置 / 買収防衛策 / 企業価値 / 東京機械製作所事件 / 三ツ星事件 / MOM / 企業買収における行動指針 / 日邦産業事件 / 日本アジアグループ事件 / ステイクホルダー |
研究開始時の研究の概要 |
本研究においては、2020年以降に現れた最新の裁判例や紛争事例を前提として、買収防衛策をめぐる新たな課題を中心に、研究を行うものである。 本研究においては、買収者側の観点と対象会社側の観点の両面から統一的に総合的に検討を行うことにより、買収防衛策をめぐって、それを最も合理的に規律することを通して、対象会社の企業価値を極大化してゆくという方向性を示し、そうした方向性から、買収防衛策をめぐる新たな課題を、比較法的考察を施しながら、研究を行うことにより、解釈論的及び立法論的提言という具体的な提言を行うものである。
|
研究実績の概要 |
本研究においては、「買収防衛策をめぐる新たな課題の法的検討-近時の裁判例の提起した課題を中心として-」という研究テーマを設け、敵対的買収に対する防衛策をめぐる課題に焦点を合わせながら、2020年以降、わが国において立て続けに発生している裁判例の提起した新たな課題を中心として、外国法との比較法的考察を用いて検討を施すことにより、その新たな課題に対する具体的な解決策となる解釈論及び立法論的提言を行い、買収防衛策をめぐる新たな課題を合理的に規律するための法基準の内容について、究明するものである。 2020年以降、わが国においては、金融緩和による市場への大量の資金供給や新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う景気の先行き不安等から、多くの上場会社で株価の下落等が生じ、いわゆるアクティビスト・ファンドの活動が活発化してきたことに伴い、例えば、東芝機械事件、日邦産業事件、日本アジアグループ事件、富士興産事件、東京機械製作所事件、新生銀行事件、三ツ星事件等、多くの裁判例や紛争事例が立て続けに発生し、今日に至っている。 そして、これらの裁判例や紛争事例の中には、2000年代の初頭にわが国で発生した裁判例において、未解決のままに残されていたないしは当時は存在しなかった、新たな課題がみられる。そこで、本研究の2年度目にあたる2023年度には、2022年度に主に従事したこれらの新しい裁判例や紛争事例についての分析を基に、わが国において2023年度中に設けられた経済産業省による「企業買収における行動指針」や、敵対的企業買収の中でも対象会社の企業価値を維持・向上させるようないわゆる同意なき買収という新しい紛争事例等について分析を広げるとともに、主に米国法について、基礎的な比較法的考察に従事した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究の2年度目にあたる2023年度には、2022年度に主に従事したわが国おける新しい裁判例や紛争事例についての分析を基に、わが国において2023年度中に設けられた経済産業省による「企業買収における行動指針」や、敵対的企業買収の中でも対象会社の企業価値を維持・向上させるようないわゆる同意なき買収という新しい紛争事例等について分析を広げるとともに、主に米国法について、基礎的な比較法的考察に従事してきた。
|
今後の研究の推進方策 |
まずは、わが国における新たな課題について、コロナ禍の影響等により2022年度や2023年度に実施することができなかった、大学、裁判所、関係省庁、証券取引所、企業等の関連機関の訪問を行い、ヒアリング調査を実施することにより、日本法における問題点について、さらに考察を行う予定である。 そして、日本法における問題点を解決するために、さらに、米国法、欧州法(ドイツ法等)、英国法との比較法的研究を施す予定である。その際、買収防衛策をめぐっては、関連する法制度やソフトローの改正や制定、新たな裁判例や紛争事例の発生等、変化の激しい分野であることから、最新の法状況を把握するためには、文献を通した研究だけでは足りず、日本法におけるヒアリング調査と同様に、各国においても、大学、裁判所、関係省庁、証券取引所、企業等の関連機関を訪問し、ヒアリング調査を実施しながら、研究する予定である。 また、本研究においては、研究期間の最終年度の2026年度に、研究の成果を取り纏め、その内容を、東京においてシンポジウムを開催し、発表することを予定している。
|