研究課題/領域番号 |
22K01317
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分06010:政治学関連
|
研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
宮脇 昇 立命館大学, 政策科学部, 教授 (50289336)
|
研究分担者 |
後藤 玲子 帝京大学, 経済学部, 教授 (70272771)
山本 隆司 立命館大学, 政策科学部, 授業担当講師 (10150765)
横田 匡紀 東京理科大学, 教養教育研究院野田キャンパス教養部, 教授 (20400715)
清水 直樹 高知県立大学, 文化学部, 准教授 (20508725)
西出 崇 小樽商科大学, グローカル戦略推進センター, 准教授 (30513171)
玉井 良尚 立命館大学, 立命館グローバル・イノベーション研究機構, 助教 (50892676)
玉井 雅隆 東北公益文科大学, 公私立大学の部局等, 教授 (60707462)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2025年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
|
キーワード | 沈黙 / CSCE / 地方自治 / 逆デジタルディバイド / 政治過程 / 民主主義 / 合意技法 / 政策決定過程 / 支持 / 完備情報 / 国際公共政策 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、「沈黙」を不完備・不完全情報下の公共政策過程で発生する不可視的な無発話状況と定義する。その上で本研究の目的は、沈黙を経て形成された戦略的合意の分析を通じ、沈黙を個別アクター間の倫理論のみならず、民主主義と争点政治をめぐる公共政策全般の課題として学術的にとらえる新たな知の体系の形成である。沈黙は、討議を前提とする民主主義社会の観点からは非民主的である。しかしこの命題は、民主主義体制下でも政策決定者にとって首肯しにくい。沈黙と民主主義という背反的事象を研究対象として、事例研究の蝟集を超え国内・国際社会を横断する政治・経済・法律の学際研究のプラットフォームを本研究は独創的に形成する。
|
研究実績の概要 |
第一に、情報の非対称性・不完備性により最適戦略を選ぶ交渉力が不均衡であることに着目した先行研究をもとに、争点仮説の観点から、地方自治の観点から実務者をゲストスピーカーとして招き研究会を開催し、争点化にいたる過程の深層をインタビューを交えて聞き取ることができた。その結果、沈黙がもつ戦略的含意は「時間」変数との兼ね合いで大いなる意味をもつことが明らかとなった。 第二にオンライン会議におけるコンセンサスへの参与観察を通して、ハイブリッドゲーミングにおける情報の非対称性(逆デジタルディバイド:IDD)を対象化し、情報と沈黙の相関関係について基礎的調査を行った。IDDについては、不利条件として沈黙が存在し、いわゆるYesとしての沈黙として回収されるものの、沈黙量の多さの累積により沈黙がNoに転化する可能性を否定できなかった。 第三に、政治体制仮説との関係では、イギリスのアーカイブにおいて東西冷戦末期のCSCE(欧州安保協力会議)のロンドン情報フォーラムにおける東西の情報の自由をめぐる攻防の史料を収集し、各国のメタ情報についての認識の差と政治体制変動への影響を探った。これらの成果を研究会を通して共有するとともに、次年度の学会報告の基礎とするべく内容の精査を行った。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の2年目として研究計画調書にそった研究がおこなわれている。
|
今後の研究の推進方策 |
24年度においては、学会報告を行い学界レベルでの沈黙研究の発展可能性について指摘を得る。引続き2つの仮説に基づく研究を国際・国内事例をもとにすすめ、本研究のプラットフォーム形成に向けて計画的な研究を行い、25年度には成果発表として出版等を検討する。
|