研究課題/領域番号 |
22K01322
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分06010:政治学関連
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研究機関 | 松山大学 |
研究代表者 |
遠藤 泰弘 松山大学, 法学部, 教授 (30374177)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2025年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | フーゴー・プロイス / カール・シュミット / ハンス・ケルゼン / ワイマール憲法48条 / 緊急事態条項 / 非常権限 / 緊急命令権 / 独裁 / ワイマール憲法48条 / 緊急事態 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、プロイス、シュミット、ケルゼンの緊急事態をめぐる所論の分析を通じて、第一次世界大戦敗戦による帝政の崩壊後、新たに誕生したドイツ・ワイマール共和国とオーストリア第一共和国が、ともに民主的憲法を備えて出発しながら、最終的にはナチズムの支配に屈した経緯を、「危機」における議会制デモクラシーと政治指導のあり方という観点から再構成し、その歴史的教訓を学び取ろうとするものである。
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研究実績の概要 |
ドイツの第二帝政期時代からヴァイマル共和国初期にかけてのプロイスの民主主義思想の変遷について、プロイスが帝政時代において主張していたObrigkeitstaatからVolksstaatへの転換論やヴァイマル憲法起草者であるプロイスの戦前と戦後の民主主義観の変遷、議会制民主主義や人民投票的大統領制の緊張関係などに注目し、ヴァイマル共和国の内憂外患の中、プロイスがいかに民主主義を守ろうと格闘したか、そして、1925年に亡くなる時、ドイツの民主主義の未来に対してどのような思いであったのかといった問題と取り組み、民主主義研究会(オンライン開催)で発表を行った。 また、デュイスブルク州立図書館が所蔵するカール・シュミット遺稿の調査で入手したタイプ打ちのシュミットの鑑定書「48条2項に基づく財政法に代わる命令の鑑定書」の研究に取り組み、「非常事態の法的規制―ドイツ革命の事例から」と題して、勤務校の松山大学で開催を引き受けた法文化学会第25回研究大会において報告した。 さらに、前年度にイタリア・コモ湖畔のヴィラ・ヴィゴーニで開催されたカール・シュミット『大地のノモス』に関する国際研究集会で行った報告原稿をもとにした独語論文を執筆し、Mohr Siebeck社が発行する"Archiv des Voelkerrechts"誌上で公刊した他、ヴィ―ン大学法学部で行った招待基調講演についても、チェコの法制史研究誌である "Pravehistoricke studie"誌上で公刊すべく、現在編集者との間で原稿の修正作業を行っているところである。 加えて、9月にシュミット研究で著名なラインハルト・メーリング教授を日本に招聘すべく、準備作業を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
帰国後の本務校業務に忙殺される中、在外研究の成果を取り纏め、二つの国内研究会で研究報告を行うことができたほか、メーリング教授の日本招聘についても、順調に進捗している。
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今後の研究の推進方策 |
法文化学会で行った研究報告を論文として取り纏めるほか、プロイスの民主主義論については、著書の形で取り纏められるよう努力を重ねたい。また、未完となっているヴァイマル憲法48条の審議過程に関する連載論文を完結させたい。 さらに、メーリング教授の日本講演を成功させるべく、鋭意準備を進めていきたい。
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