研究課題/領域番号 |
22K01348
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分06010:政治学関連
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研究機関 | 京都産業大学 |
研究代表者 |
中井 歩 京都産業大学, 法学部, 教授 (50340633)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2024年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | ポピュリズム / ポピュリスト政党 / 地域政党 / 政党組織 |
研究開始時の研究の概要 |
自由民主主義体制は、民意の実現というポピュリズムと、権力の抑制というリベラリズムという2つの側面から成り立っている。近年では、ポピュリズムという政治潮流が国内外で注目されているが、従来の研究ではリーダーシップや支持構造についての研究はあるものの、組織構造や意思決定の在り方等については十分な解明がなされているとは言えない。本研究ではポピュリスト型地域政党に注目し、文献研究および政治エリートへの聞き取り調査と事例研究を通じて、ポピュリスト型政党の組織構造と意思決定構造の解明を目指す。これにより、少子高齢化・グローバル経済化の下で変動期にある日本の政党政治の理解に資すると考える。
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研究実績の概要 |
前年度に引き続き、文献調査によって政党としての「大阪維新の会」「日本維新の会」を比較してポピュリスト政党、地域政党として位置付ける枠組みについての検討を主に行った。理論に関する文献調査の対象としては、ヨーロッパ諸国の政党政治一般、ポピュリズムとポピュリスト政党、地域主義や地域政党に関する比較政治学に関する文献等を選んで講読した。あわせて、本研究における主な対象事例である「大阪維新の会」と大阪府・大阪市における政党政治・選挙政治と、維新の会が与党をつとめる大阪の地方行政についての先行研究に関する文献も収集して、講読した。その際には、とくに選挙戦略と党内のリーダーシップ、そして争点設定の特徴と重要性について注目をして、整理を行った。 また、首長主導の地域政党の東京における比較対象となる、「都民ファーストの会」の聞き取り調査の準備作業として、東京都の政党政治・政党システムついての文献の収集と講読も行った。 選挙政治における事例研究として、2023年4月に行われた大阪府知事選、大阪市長選、大阪府議選、大阪市議選の4重選挙について、過去の大阪維新の会が参加した大阪における地方選挙との比較の観点からの資料・文献調査や、大阪維新の会の幹部への聴き取り調査を行い、反維新側との選挙戦術の比較、政党システムの観点などの分析を行った。その成果は、2023年の5月28日に獨協大学において開催された日本政治法律学会の統一地方選挙に関する分科会において報告を行うとともに、さらなる検討を行った上で2024年1月に発刊された『産大法学』誌上に研究ノートとしてまとめて公表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
文献調査についてはほぼ予定通り進めることができている。一方で地方政治エリートを対象とした聞き取り調査については、大阪市内を中心する地方議員等に対してはある程度進めることができたものの、東京での聞き取り調査には取り組むことができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
研究期間の3年目にあたる2024年度においては、これまで行ってきた文献調査をふまえて「大阪維新の会」についての政党としての位置付けのまとめを行うとともに、比較対象としての東京「都民ファーストの会」についての文献調査を継続する。さらに、昨年度から取り組んでいる「大阪維新の会」の地方議員と関係者に対しての聞き取り調査を継続して行う。あわせて、「都民ファーストの会」についての聞き取り調査にも着手することで、地域政党・首長主導政党という共通点を持つ両政党の選挙戦略・政党組織・意思決定についての比較を行うことで、本研究のまとめに向けて整理をしていく。最終的には、論文の形にまとめて公表していく。
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