研究課題/領域番号 |
22K01364
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分06020:国際関係論関連
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研究機関 | 国際大学 |
研究代表者 |
信田 智人 国際大学, 国際関係学研究科, 教授(移行) (80278043)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2024年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2023年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
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キーワード | 日本外交 / 安全保障 / 日本政治 / 政策決定 / 対外政策 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は第2期安倍政権に発足した国家安全保障会議とその事務局である国家安全保障局が対外政策決定過程においてどのような役割を果たしたかを分析するものである。安倍政権においては、同会議発足後に国家安全保障戦略の策定、および平和安保法制の制定などが行われた。これらの政策決定過程の形成過程における同会議・局の役割を分析することにより、その変化要因を明らかにする。本研究のために、申請者が培ってきた外務省や防衛省、自民党議員などの人脈を駆使して、インタビューを重ね独自性の高い研究成果を出したい。なお、最終的には、国内外の研究者に広く読まれるように和文と英文の両方で学術書を出版する予定である。
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研究実績の概要 |
2023年度においては研究計画通りにインタビューを進めてきた。その成果の一部としてアムステルダム大学出版から出されたHandbook on Japanese Security, edited by Leszek Buszynski, Amsterdam: Amsterdam University Press, 2023に論文を発表することができた。 それは“Political Power Shift and Japan’s Security Policymaking,”というタイトルで、政権交代と日本の安全保障政策決定過程の変化について分析したものである。そこでは、従来の政権に比べて国家安全保障会議と国家安全保障局ができたことによって、第二次安倍政権の政策過程が大きく変化したことを描いている。 また関連したテーマとして、第2次安倍政権から課題として検討が進められてきた「反撃能力」政策上の課題について、日本防衛学会において2023年7月2日に研究発表することができた。そこでは反撃能力についての過去の経緯や、「専守防衛」との関係、国際法上の課題、日米共同防衛上の課題について分析した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
第二次安倍政権における国家安全保障会議と国家安全保障局がどのように安全保障政策の決定過程を替えたかという課題についておおむね順調に進展している。 この課題において、国際安全保障学会の機関紙である「国際安全保障」で「安倍政権は何を変えたのか」というテーマで、研究者が責任編集者を務めたものを2022年に発表した。そこでは、兼原信克・高見澤将林という国家安全保障局の初代次長を務めた二人を筆者に加えて、国家安全保障局の役割を分析した第一次資料ともなる貴重な研究であった。 研究者は序論として、第二次安倍政権の歴史的位置づけ、国家安全保障戦略、安倍政権と日米関係について分析を行った。これが本研究プロジェクトのイントロダクションともいえる部分である。 また同年度に、Asian Journal of Comparative Politicsという英文学術誌において"The Japanese Prime Minister and the executive institutional setting,” というタイトルで、日本の首相にとっての新しい行政制度として国家安全保障会議と国家安全保障局の存在についての分析を含めた論文を発表している。 上記でも述べた2023年度に行った、政権交代と日本の安全保障政策決定過程の変化についての論文は、第2次安倍政権での政策決定過程の変化の概略を扱うことができた。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度には「国際安全保障」という学会誌で第二次安倍政権の歴史的位置づけ、国家安全保障戦略、安倍政権と日米関係という、本研究プロジェクトのイントロダクション部分を論文で発表した。また同年度に、Asian Journal of Comparative Politicsに載せた"The Japanese Prime Minister and the executive institutional setting,” という論文で新しい行政制度として国家安全保障会議と国家安全保障局の役割についての論文を発表している。また2023年度には第2次安倍政権での政策決定過程の変化の概略を扱うことができた。 本研究プロジェクトの最終年度である2024年度においては、具体的な安全保障政策の事例について更にインタビューを重ね、掘り下げた政策過程の分析を行う予定である。
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