研究課題/領域番号 |
22K01367
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分06020:国際関係論関連
|
研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
足立 研幾 立命館大学, 国際関係学部, 教授 (70361300)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2026年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2025年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
|
キーワード | 安全保障化 / 過小安全保障化 / 計量テキスト分析 / 過剰安全保障化 / 過少安全保障化 / COVID-19 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、安全保障研究において一大分野となる一方で、多くの問題点が指摘されている「安全保障化」の議論の理論的精緻化を試みる。その際、本研究は以下の二点に焦点を当てる。第一に、安全保障化に対抗する動きに着目する。すなわち、安全保障化の動きと、その動きに対抗する反安全保障化の相互作用に注目し、安全保障化プロセスをよりダイナミックなものとして把握する。第二に、過剰安全保障化と過少安全保障化の理論化を図る。様々なものが脅威として論じられ、安全保障の課題となる現在、安全保障化について、上記のような観点から理論的精緻化を図ることは、理論的にも政策的にも大いに意義があるものと思われる。
|
研究実績の概要 |
本研究は、近年安全保障研究において一大分野となる一方で、理論化が十分に進んでいるとは言えない「安全保障化(Securitization)」について、理論的精緻化を試みるものである。その際、2022年度については、安全保障化と過少安全保障化の理論化を図った。とくに、日本における新型コロナウィルス感染症対策を事例として取り上げつつ、国家が市民が脅威と感じるものを安全保障の対象としない(安全保障化を行わない)時、市民がいかなる行動をとるのかという点の理論化を試みた。議論がある程度まとまってきたため、その内容をペーパーとして報告すべく、2023年度のいくつかの国際学会に報告プロポーザルを提出したところである。 また、安全保障化を分析する理論を精緻化するにあたって、政府関係者や主要アクターの言説を、政府刊行物、主要アクターの発言・スピーチ等のテキスト分析する点にも本研究の特徴がある。2022年度は第二次安部政権期の国会における安全保障にかかわる審議を、テキストデータとしてデータベース化した。それをいかに安全保障化の分析へと操作化するのかという点については試行錯誤を続けているが、その過程で、第二次安部政権期の「人間の安全保障」にかかわる計量テキスト分析を試みた。その成果については、「第二次安倍政権期になぜ「人間の安全保障」への言及が増加したのか? : 国会議事録の計量テキスト分析による考察」『立命館国際研究』第35巻第2号として、公刊した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
安全保障化の理論化作業は順調に進展している。計量テキスト分析についても、データの入力作業は順調に進展しており、その過程で、すでに一本論文を書くことができた。ただし、今後、いかに安全保障化の分析へとつなげるのかという点についてはやや苦労をしており、まだ試行錯誤中である。ただ、全体としてはおおむね計画通りに進捗している。
|
今後の研究の推進方策 |
理論化作業については順調に進捗しているので、2023年度には国際学会等で報告し、フィードバックを得ることでさらなる精緻化を試みたい。実証面についても、コロナ禍が明けつつあるため、現地調査等も実施できそうである。加えて計量テキスト分析についても、現在のペースでデータベース作成、および分析を進めていきたい。
|