研究課題/領域番号 |
22K01373
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分06020:国際関係論関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
高橋 慶吉 大阪大学, 大学院法学研究科, 教授 (60456928)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 中国 / アメリカ / バイデン / アメリカ大統領図書館 / 台湾海峡危機 / 日米安保 / 台湾海峡 |
研究開始時の研究の概要 |
中国大陸と台湾の間の政治的分裂状態を背景に、台湾海峡ではこれまで3つの大きな軍事危機が生じた。1954年から55年にかけての第一次台湾海峡危機、1958年の第二次台湾海峡危機、1995年から96年にかけての第三次台湾海峡危機である。本研究は、近年日米両国が台湾海峡に対する関心・関与を強めつつあることを念頭に置きつつ、それら軍事危機に日本とアメリカが日米安全保障条約の枠組みのもとで、どのように対処したかを明らかにしようとするものである。
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研究実績の概要 |
昨年度は、夏にアメリカの国立公文書館を訪問し、1週間ほど資料の調査・収集を行った。主たる調査・収集の対象にした資料は、1950年代の駐日大使館の文書である。大使館が第一次台湾海峡機、第二次台湾海峡危機に対する日本政府の姿勢・対応をどのように観察し、評価していたかがわかる貴重な資料を収集することができた。また、そうしたアメリカ側の資料を通して、日本側には危機対応としていくつかの選択肢が存在したことがわかり、日本政府の姿勢・対応を深く理解することができた。 アメリカでの資料調査を補う作業として、データベース「U.S. Declassified Documents Online」を使った資料の収集にも取り組んだ。特に収集を行ったのは、1950年代の2つの台湾海峡危機に関する国務省本省とホワイトハウス(大統領)の資料である。90年代の台湾海峡危機に関する資料も調査したが、残念ながらまだほとんど収録されていないようであった。 歴史資料の調査、収集、分析に取り組む一方で、現在の中国の経済不振や人口減少が国際関係にどのようなインパクトを与えるかを考察する評論の執筆に当たった。その成果が、"Weak China as a Treat to World Security," Geopolitical Monitor, November 8, 2023である。現状に対する深い理解は、歴史を振り返り、評価するうえで欠かせないと考えている。なお、上記評論についてはReal Clear Worldに転載されるという成果も得た。 また、資料調査の経験を生かして本を出版した。田中慎吾・高橋慶吉・山口航『アメリカ大統領図書館ー歴史的変遷と活用ガイド(大阪大学出版会、2024年)である。これは、アメリカ大統領文書の歴史を概説するとともに、大統領図書館での資料調査に欠かせない情報を提供する本となっている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
航空運賃やホテル代の高騰により、当初の計画で訪問することになっていたアイゼンハワー大統領図書館に行くことができなかった。また、「研究実績の概要」に記した評論と本の執筆に時間がかかり、収集した資料の分析作業を年度内にすべて終わらせることができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は、まだ分析作業の終わっていない資料の分析に当たるとともに、アイゼンハワー大統領図書館などでの資料の調査・収集に力を入れたい。また、1950年代の台湾海峡危機に関する論文の執筆に取り掛かりたいとも考えている。
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