研究課題/領域番号 |
22K01377
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分06020:国際関係論関連
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研究機関 | 東洋学園大学 |
研究代表者 |
川口 智恵 東洋学園大学, グローバル・コミュニケーション学部, 専任講師 (20789987)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2025年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 平和構築 / アクター間相互作用 / リベラル平和構築 / 政策研究 / 非リベラル国家 |
研究開始時の研究の概要 |
リベラル平和構築と呼ばれる平和構築は、欧米諸国で発展した近代的主権国家制に加え、人権、民主主義という自由主義的概念の反映に重きを置き、平和構築の実践および研究の主流であった。しかし、リベラル国家建設の失敗などから、実践的にも理論的にも有用ではないとの批判がある。平和構築研究への批判に答え、政策としての平和構築が抱える問題を解決するため、本研究は、平和構築におけるハイブリッド性や非リベラル性が、平和構築プロセスにおいてどのように生じているのか、国際アクターとローカルアクターがどのように相互作用した場合に、リベラル/非リベラル国家(もしくはその間にある国家)が生じるのかを明らかにする。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、長く国内紛争後の平和構築において主流であったリベラル平和構築アプローチによって生じている紛争後国家の非リベラル化に着目し、「政策としての平和構築」におけるアクター間相互作用(国際アクターとローカルアクターの間)を解き明かすことにより、なぜリベラル平和構築は非リベラル化を促すのかを明らかにすることを目的としている。初年度である2022年度は、国内において理論的分析や情報収集を進めながら、以下の活動・研究成果の作成を行った。 1)2022年10月26日上智大学 国連Weeks「ウクライナ避難民保護にみる国際協力の将来ーUNHCRスタッフと語るー」パネルセッション討議「難民保護の国際協力ーウクライナの教訓を踏まえて」において「開発と人道、平和構築と難民」を中心に問題提起。平和構築のエージェンシーとしての難民への支援について国内外の研究者および実務家と議論した。 2)川口智恵「ウクライナ避難民対応にみる日本の人道主義ー日本政府と社会の対応を中心に」『人道研究ジャーナル』Vol.12,2023,320-333頁。 3)2023年3月15‐17日、広島に出張し日本発の平和構築について調査。平和記念資料館などを訪問。広島の研究者、NGOなどとの意見交換を通じて、今後の調査に必要な情報収集を行った。 事情により海外調査の実施が難しくなったため、国内において実施可能な文献調査を行い、2)の研究成果を提出するとともに、オンライン会議や3)国内出張の場を通じてカンボジア、南スーダン、ウガンダ、イエメンなどの平和構築の現場で活動する研究者や実務者との意見交換を行い、現地調査の可能性を模索している。2023年度は、アクセプトされれば国内で実施される国際学会および日本国際政治学会年次大会における研究発表を予定している。また可能であれば海外調査を行い、研究成果として論文を刊行していく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度予定していた理論的分析や情報収集については順調に進みつつある。 一方で、研究代表者の家庭環境における重大な変化により、中長期の出張を伴う研究調査が困難となった。そのため、平和構築の現場で活動する研究者や実務家との研究協力を念頭に、その可能性を検討している。海外調査に基づく事例研究の準備について、実施条件が整うにはしばらく時間を要すると思われる。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き、理論的整理や事例研究に要する資料・データ収集と分析を行いつつ、現地調査の準備を行う。海外での現地調査をどのように行うか、現地で活動する研究者や実務家との研究協力体制の構築が重要なカギとなる。
同時に、ウクライナ復興への各国による支援にも目配りをし、国内紛争後平和構築だけではない平和構築の広がりについても注目しながら、平和構築とリベラル化の関係性を明らかにしていくこととする。
研究の成果を随時、国内外の学会、研究会において発表する。
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