研究課題/領域番号 |
22K01388
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07010:理論経済学関連
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研究機関 | 一橋大学 |
研究代表者 |
吉原 直毅 一橋大学, 経済研究所, 非常勤研究員 (60272770)
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研究分担者 |
奥島 真一郎 筑波大学, システム情報系, 准教授 (20431653)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 公理論的分析 / 技術革新と要素所得分配の均衡動学 / スラッファ的定常均衡の一般的非決定性 / 国際的不均等交易関係の継起性 / 構造変化に対する社会的連帯性と平等主義 / 異時点間一般均衡分析 / 定常均衡 / 持続可能性 / 技術革新 / 所得分配 |
研究開始時の研究の概要 |
気候変動の危機による人類文明の持続可能性問題に直面する経済環境下の資源配分メカニズムの事実解明的、及び規範的分析を行う。私的所有制と完全競争市場環境の想定下で、自然生態系との持続可能的共存を保証する定常的資源配分メカニズムの特徴分析を行う。また、公的所有制下の資源配分メカニズムについての規範的分析を行う。
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研究実績の概要 |
技術革新によって、技術選択集合が可変的となるような、より一般化された動学的一般均衡の枠組みにおいて、技術革新に起因する完全市場下の均衡移動を、とりわけ要素所得の分配関係の変動の観点から特徴づける理論的分析の論文を、数理経済学会の研究集会等で報告し、それらで得られたフィードバックを生かしてディスカッション・ペーパーとして完成させた。また、レフェリー制度の国際学術誌に完成論文を投稿し、現在、審査中である。 動学的世代重複経済環境におけるスラッファ的定常均衡を、資本-労働の分配関係が市場的競争メカニズムによって非決定的である事に起因する均衡非決定性の一般的生成として、特徴づける論文を完成させ、従来のワルラス均衡の正則性に関する理論研究との同異を解明する研究を進展させた。その成果の一部は数理経済学会の学術誌に掲載された他、もう一本の本格的な研究成果論文は現在、レフェリー制度の国際学術誌に投稿し、審査中である。 国際経済環境下での先進国と途上国間の不均等的交易関係に関する実証分析と、その継起的生成が観察されるか否かに関する数値解析研究の成果を、ディスカッション・ペーパーとして完成させた。この論文は、現在、レフェリー制度の国際学術誌に投稿し、審査中である。 望ましい平等主義的配分メカニズムの性能が、技術革新によって時間と共に技術選択集合が拡張し得る様な動学的経済環境下に置いて、望ましい平等主義的配分メカニズムの性能が、技術革新に起因する構造変化に対する社会的連帯性の性質を満たすような平等主義的配分メカニズムの可能性について、公理論的に分析する研究を進展させ、国際会議や研究ワークショップで報告し、専門の近い研究者たちからの有効なフィードバックを得る事が出来た。今後、それらのフィードバックを基に、論文の再改訂を進める予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初予定していた主要研究課題の成果の一部を研究論文として完成させ、それらを順次、査読制国際誌に投稿している。それらのうち、3部ほどが2022年度内ですでに受理され、公刊に到っている他、4本ほどの論文が投稿先学術誌の第1次審査で「改訂&再投稿」の提示を受ける事が出来た。いずれも、現在、改訂作業を終え、再投稿中である。また、2022年度内で新たに4本のディスカッション・ペーパーを発行した。
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今後の研究の推進方策 |
技術革新に起因する構造変化に対する社会的連帯性の性質を満たすような平等主義的配分メカニズムの可能性についての公理論的分析の論文は、今後、専門家からのフィードバックを基にした改訂作業を行った後に、査読制国際誌に投稿する作業へと早々に進める必要がある。 また、気候変動による「負の公共財」供給が不可欠的に伴う経済環境下での異時点間資源配分の様相に関する理論分析の研究は、基本的な理論分析成果は揃ったものの、それらを論文として纏め上げる作業にはまだ着手できていない。今後は、この研究課題の論文化の作業も本格的に進めていく必要がある。
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