研究課題/領域番号 |
22K01391
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07010:理論経済学関連
|
研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
宮原 泰之 神戸大学, 経営学研究科, 教授 (80335413)
|
研究分担者 |
定兼 仁 神戸大学, 経営学研究科, 准教授 (30804900)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
|
キーワード | 繰り返しゲーム / 情報設計 / 情報収集 / ベイズ説得 / 不完備情報 / 片側不完備情報 / 評判効果 / 有限回繰り返しゲーム |
研究開始時の研究の概要 |
経済組織内において構成員たちの協力導出、構成員間のコミュニケーションは重要な問題であると考えられている。本研究は前者については囚人のジレンマゲーム、後者についてはチープトークゲームというゲーム理論における基本モデルを拡張して分析する。特に情報の偏在問題と長期的関係の問題に着目し、組織にとって好ましい協力とコミュニケーションがどのように実現できるのかを明らかにする。
|
研究実績の概要 |
前年度に引き続き、片側不完備情報の有限回繰り返し囚人のジレンマゲームとチープトークゲームに関する研究を行った。本年度は研究代表者も研究分担者も本年度はチープトークゲームに関する研究に重きを置くことになった。 研究代表者は、研究開始当初、片側不完備情報の有限回繰り返しゲームの応用としてチープトークゲームの有限回繰り返し問題に着目し、情報保有者への追加情報が均衡にどのような影響を与えるか、つまり、均衡の頑健性を調べようとしていた。研究を進める過程で情報保有者の自発的な情報収集の側面に着目するようになった。情報保有者は自動的に受け取ることのできるシグナルの他に自分で費用を負担して情報収集を複数回できるような状況に着目した。そして自動的に受け取るシグナルの実現確率は情報保有者と利害の関係のある主体(情報設計者)が設計できるものする。これはベイズ説得と呼ばれる分野と関連する研究である。情報収集した場合は確実に環境の真の状態を知ることができるわけではなく、エラーを伴うと想定した。このときの均衡における設計された情報構造と情報収集について考察した。大学院生と共同研究を行い、部分的な結果を得ることができた。2023年に開催されたContract Theory Workshop: Summer Campで研究発表を行った。 研究分担者はチープトークゲームにおける情報収集と戦略的情報伝達に関するモデルを用いてファクトチェックに関する研究を行った。そして国内外の研究セミナーで研究発表を行った。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
片側不完備情報の有限回繰り返し囚人のジレンマゲームについて解決できない問題があり、この研究については進度が遅くなっているが、有限回繰り返しチープトークゲームについては新しい方向で研究が進んでいるため。
|
今後の研究の推進方策 |
片側不完備情報の有限回繰り返し囚人のジレンマゲームについては、当初、非自明な均衡のみが頑健となり得ることを示すことができると考えていたが、不可能性命題の可能性も考慮して研究を進める。ベイズ説得に関する研究については情報構造を複数回設計できる場合も考慮して結果を洗練させる。
|