研究課題/領域番号 |
22K01393
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07010:理論経済学関連
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研究機関 | 大阪公立大学 |
研究代表者 |
中村 英樹 大阪公立大学, 大学院経済学研究科, 教授 (00272097)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2024年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2023年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2022年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
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キーワード | 機械化の度合い / CES生産関数 / 機械化への期待 / 完全機械化 / 複数均衡 / Suitability for tasks / automation / Job mismatch / 人的資本 / 様々な能力 / マルチタスク / 賃金分散 / 過少雇用 |
研究開始時の研究の概要 |
①人的資本を多次元の能力で考える。教育レベルが同じでも、能力の構成は労働者間で異なる。そして、仕事をマルチタスクで考える。能力とタスクの間にはある対応関係がある。 ②技術変化に伴うタスクの増減を考える。技術変化の結果、能力の構成が違うため、同じ教育レベルであっても労働生産性に違いが出る。 ③タスク間の関係が補完的か代替的かによって、教育レベルが同じグループ内と異なるグループ間で技術変化の労働生産性の平均と分散への影響は異なる。 ④労働者の賃金分散の拡大、そして、過少雇用の増加を説明する。さらに、技術変化を考慮した教育を考える。
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研究実績の概要 |
研究の目的と意義:経済における機械化の度合いを実証的に測るのは非常に難しいが、それを可能にする方法を理論的に考える。そして、その理論をもとに、実際の推定を行う。既存研究において、機械化の度合いを産業または経済レベルで測ることを可能にする方法は殆どない。 具体的内容:これを、"How to Estimate the Degree of Automation: Theory and Empirics"(joint work with Masakatsu Nakamura and Shota Miriwaki)としてまとめた。具体的には、タスクモデルにおける均衡から導出される生産関数とCES生産関数が同値となる条件を求める。よって、CES生産関数の推定値、特に、代替の弾力性の値から、資本労働比率を用いて、機械化の度合いが推定できる。実際に、日本製造業のデータを用いて、産業平均が直近20年ぐらいで0.55から0,6と上昇していることを示した。さらに、ICT資本とロボット使用が機械化の進展の要因となっていることも確認した。
研究の目的と意義:unskilled jobsの機械化への期待が機械化の進行にどう影響を及ぼすかを理論的に考える。期待の影響を労働移動とともに分析する研究は殆どない。 具体的内容:期待のもと労働移動が機械化を促進させる、有限時間に完全機械化もあり得ることを示す。さらに、完全機械化の均衡と機械化が進展しない均衡の複数均衡の可能性があることを示す。これらを"An Economy with the Possibility of a Full Automation for Unskilled Labor"(joint work with Ryosuke Shimizu and Shohei Momoda) としてまとめた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
論文としてまとめ、近く、SSRNにアップする。さらに、ジャーナルに投稿する。
また、機械化への期待が機械化の進行にどう影響を及ぼすか、別論文も同時進行で行っている。
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今後の研究の推進方策 |
"How to Estimate the Degree of Automation: Theory and Empirics"を改訂し投稿する。この研究は、今後の発展が見込める研究であり、拡張を行う。具体的には、労働者のスキルの違いのもと、機械化を考える。これをtwo-level CES生産関数のもと推定し、スキルによる機械化の進展の違いを明らかにする。
機械化への期待に関する論文も改訂し投稿する。
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