研究課題/領域番号 |
22K01396
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07010:理論経済学関連
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研究機関 | 法政大学 |
研究代表者 |
平井 俊行 法政大学, 経済学部, 教授 (00383951)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2025年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 提携形成 / 公共財供給 / 再交渉 / 情報財 / マッチング理論 / 純粋公共財 / ゲーム理論 / 多者間マッチング / 環境保護協定 / 排除可能公共財 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究課題は、環境保護協定の締結や情報財の供給への参加などを例とする、各主体が自身の属する提携の内部だけでなく提携外の主体とも同時に交渉をおこなうような提携形成問題を考える。主に、安定な提携形成が存在し効率的になるための交渉の制度や仕組みについて多者間マッチング理論を援用して分析する。本研究を通じて、実際の社会・経済問題における制度設計や仕組みの整備および提携形成問題の理論的発展に貢献することを目標とする。
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研究実績の概要 |
(1) 前年度に引き続き、学会・セミナーへの参加や専門書・論文の購読などを通じて本研究課題に関する最新情報収集をおこなった。本年度は特に、(i)再販可能な情報財取引の理論分析およびその市場設計に関する文献のサーベイ、(ii)マッチング理論の最新論文のサーベイを重点的におこなった。また、本研究課題で主な分析手法として考えているマッチング理論について、新しい分析手法を身に着けるために制約付きマッチングについての情報収集をおこない、共同研究に向けて意見交換をおこなった。 (2) 前年度に引き続き、提携を通じた純粋公共財の供給をおこなう状況における再交渉の役割についての共同研究を進めた。本研究では、公共財供給をおこなう提携への不参加者との再交渉の存在が不参加のインセンティブを減少させうることを示しているが、不参加インセンティブを減少させるための異なる仕組みとして参加者が一定の人数に達しない場合は供給をおこなわないというコミットメントをおこなう方法が知られている。今年度は、昨年度までの分析に加えて、このようなコミットメントがある場合に再交渉の可能性が公共財供給提携への参加人数に及ぼす影響を分析した。本研究の成果を含む論文は、国内外の学会・セミナーで報告をおこない、そこで得たコメントなどを基に改訂をおこなった。ワーキングペーパーとしての公開や英文校正を経て、査読付き国際誌に投稿中である。 (3) 再販可能な情報財の取引の分析について、前年度に引き続き共同研究者との意見交換をおこなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究課題の主な対象の1つである公共財供給問題に関する論文が完成し、学会報告やワーキングペーパーとしての公開を経て査読付き国際誌に投稿することができた。また、マッチング理論に関する基礎研究について、新しい研究を開始する準備を整えることができた。
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今後の研究の推進方策 |
(1)現在投稿中となっている公共財供給における再交渉の可能性の影響に関する論文の採択を目指す。 (2)再販可能な情報財に関する研究について、引き続き共同研究者とコミュニケーションをとりつつ分析をおこなっていく。先行研究のモデルを拡張・発展させる形で情報財市場の構築・整備の基礎となるような成果を目指す。そのために、データなどの実際の情報財市場についての情報収集もおこなう。 (3)分析手法として考えているマッチング理論に関する基礎研究を進め、分析手法の強化を目指す。本年度に引き続き、制約付きマッチングに関する理論的研究を進める。
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