研究課題/領域番号 |
22K01407
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07010:理論経済学関連
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研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
本領 崇一 同志社大学, 経済学部, 准教授 (40835667)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 集団的意思決定 / シグナリングゲーム |
研究開始時の研究の概要 |
「情報の集約のあり方」について、Crawford and Sobel (1982) のモデルを複数の情報の送り手がいるケースに拡張し、そのうちの一人を情報の受け取り手かつ意思決定者として設定する場合に、だれを設定するのが適任となるかという問題を扱う。情報は何人かの専門家に分散して保有されている。集団意思決定を行うためには、その中の一人がリーダーとして他の専門家の意見を聞いて周り、最終的な意思決定を行う。 「意思決定への情報の反映」については、1.シグナリングゲームに、情報伝達の媒介者を入れ込んだモデルを作り、均衡の性質を探る。
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研究実績の概要 |
Post-truth politics, Post-fact politicsといった表現は、政策の詳細や客観的な事実より個人的信条や感情へのアピールが重視され、世論が形成されてしまう政治文化を表しているが、これは民主主義の機能、より一般的には集団的意思決定のあり方を再考するためのキーワードとして捉えることができる。この研究では、集団的意思決定にまつわる諸問題を情報の活用という側面に注目して考察する。とくに、1.さまざまな主体に分散して保有されている情報を集約するプロセス.2.集約された情報を集団メンバーに共有し、集団意思決定に関する合意を形成するプロセス.3.1と2を同時に考慮する全体としての情報処理システムとしての意思決定プロセスの三つのプロセスを、ゲーム理論、特に情報伝達のモデルを活用することで分析し、正しい情報が正しい形で集団意思決定に活用されるための環境、情報構造を探っていく。 これまで、さまざまな主体に分散して保有されている情報を集約するプロセスに注目するために、複数エージェントの戦略的情報伝達のゲーム理論モデルを構築し、意味のある比較分析を行うために必要な理論的仮定のいくつかを明らかにした。これまで得られている成果として、さまざまな組織の中で、最も効率的な情報集約を達成するための意思決定の権限委任のあり方、組織の中の情報のフローの構成の作り方に関するいくつかの知見を得ることができ、国内外の研究会、セミナー等で報告することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
これまで得られた研究実績については、国内外での学会、大学でのセミナー等で報告をすることができ、さまざまな有益な助言、インプットを得ることができた.
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今後の研究の推進方策 |
これまでの研究の最初の段階においては、「さまざまな主体に分散して保有されている情報を集約するプロセス」に着目して研究を進めてきた.その後、この知見を、全体としての情報処理システムとしての望ましい意思決定プロセスの分析につなげるために、「集約された情報を集団メンバーに共有し、集団意思決定に関する合意を形成するプロセス」の分析を進めていった.今後は、その二つのプロセスの効率性の間にある補完性、あるいはトレードオフについて分析を進めていく予定である.
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