研究課題/領域番号 |
22K01439
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07040:経済政策関連
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研究機関 | 福井県立大学 |
研究代表者 |
杉山 泰之 福井県立大学, 経済学部, 教授 (00533605)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 環境産業 / 環境物品 / 環境政策 / 貿易 / 直接投資 / 環境財 |
研究開始時の研究の概要 |
環境にやさしい、あるいは汚染物質の排出を削減・防止する製品は、環境物品または環境財と呼ばれる。21世紀に入り、このような環境財の貿易自由化に向けた動きや、発展途上国への環境財生産企業の直接投資の拡大などが国際的にも注目を集めている。本研究では、環境財を生産する環境産業の市場が、アメリカ合衆国、EU、中国、そして日本などの企業が影響力を持つ国際的な寡占市場になっていることを踏まえて、「環境産業が国際的な寡占競争下にあるとき、貿易を通じた環境財の普及と国内環境産業の発達の観点から、どのような環境政策や貿易政策が有効か。また、それらの政策はどのような水準に設定されるべきか。」を明らかにする。
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研究実績の概要 |
本研究では、近年の環境財の貿易自由化と発展途上国への環境財生産企業の直接投資の拡大の動きを踏まえて、「環境産業が国際的な寡占競争下にあるとき、貿易を通じた環境財の普及と国内環境産業の発達の観点から、どのような環境政策や貿易政策が有効か。また、それらの政策はどのような水準に設定されるべきか。」を明らかにする。具体的には、(Ⅰ)環境財輸出国と輸入国の環境産業における対称的、非対称的な自由参入退出、(Ⅱ)環境財輸入国への直接投資を通じた生産技術のスピルオーバーとその吸収能力、という視点を分析に組み込むことで、環境政策や貿易政策が環境財の輸出国や輸入国の経済面、環境面に与える影響について、この分野の研究に新たな知見を加えることを目指す。
令和4年度は、海外の査読ジャーナルであるResource and Energy Economicsにおいて"Optimal Policy for Environmental Goods Trade in Asymmetric Oligopolistic Eco-industries"を公表した。この論文は、先進国から環境財を輸入する発展途上国を想定し、輸出国と輸入国の環境産業における参入退出が非対称的なケースについて、国内汚染排出産業への排出税、国内環境産業への補助金、環境財への輸入関税などの効果と望ましい政策水準を明らかにしたものであり、本研究課題の目的(Ⅰ)に関する論文である。
また、本研究課題に関連する環境産業とスキル形成に関する論文"Skill Formation and the Production of Environmental Goods: The Role of Public Education"が、日本国際経済学会の査読ジャーナルであるThe International Economyに掲載された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
令和4年度は、海外の査読ジャーナルであるResource and Energy Economicsにおいて"Optimal Policy for Environmental Goods Trade in Asymmetric Oligopolistic Eco-industries"を公表した。本研究課題の最初の目的を一定程度明らかにできたことから「おおむね順調に進展している」を選んだ。
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今後の研究の推進方策 |
令和5年度からは、先進国の環境財生産企業による発展途上国への輸出とFDIの選択に関するモデルの構築に取り組む。そして、先進国の環境財生産企業は実際に輸出とFDIのどちらを選択するのかという点を、環境政策や貿易政策との関係から具体的に明らかにしていく。このとき、環境財の生産技術のスピルオーバーに対する発展途上国の競合企業の吸収能力が輸出とFDIの選択に与える影響も含めて検証していきたい。
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