研究課題/領域番号 |
22K01464
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07040:経済政策関連
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
板倉 健 名古屋市立大学, 大学院経済学研究科, 教授 (90405217)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | グローバルCGEモデル / 重力方程式 / E-commerce協定 / 気候変動の経済影響 / 地域経済モデル / 計算可能な一般均衡モデル / 貿易政策 / グローバル・サプライチェーン / RCEP / CPTPP / CGE / Supply Chains |
研究開始時の研究の概要 |
貿易を通じた国際供給網(サプライチェーン)の拡大と再編に向けた近年の潮流がある。自由貿易協定や経済連携協定は供給網の拡大を促進する一方で、貿易紛争やコロナ禍が供給網再編の圧力となる。本研究の目的は、国際供給網の拡大と再編の経済効果を分析可能とするグローバルCGEモデルを開発し、経済的な影響を複数の将来シナリオによる数値シミュレーションにより明らかにすることである。また、サプライチェーンを詳細な貿易データで把握することで、中間財取引を通じた自国産業から他国産業に波及する経路について分析を行う。そして、産業貿易への波及経路に対する企業生産性の違いの効果についても考察する。
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研究実績の概要 |
本研究は、国際供給網の拡大と再編の経済効果を分析可能とするグローバルCGEモデルを開発し、経済的な影響を複数の将来シナリオによる数値シミュレーションにより明らかにすることを目的としている。また、グローバルサプライチェーンを詳細な貿易データで把握することで、中間財取引を通じた自国産業から他国産業に波及する経路についても分析を行う。 2023年度の研究実績として、国家間の電子商取引協定 (E-commerce agreement)の経済的影響の分析を行い国際学会で報告した。分析では、国際貿易の重力方程式を用いて、過去のE-commerce協定が貿易費用に与える効果の推定を行った。この推定結果を利用した数値シミュレーションを実施することで、将来のE-commerce協定が経済全般に及ぼす影響を、逐次動学グローバルCGE モデルで考察した。得られた結果を国際学会で報告し、今後の改善に向けた方針を得ることができた。 開発したモデルを応用することで、ASEAN経済の将来シナリオをデジタル化・気候変動対応・包摂性というテーマのもとで考察する研究も進めることができた。経済連携協定CPTPPを対象にして、新たに加盟国が加わることによる影響分析にも着手した。 また、都道府県を明示的に分析可能とするグローバルCGEモデルの開発を継続した。このモデルを応用し気候変動による気温上昇の国内地域への経済影響を考察し、国内外の学会において研究報告を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究課題の一つである、グローバル・サプライチェーン構造を備えた逐次動学型グローバルCGEモデルとデータベースの整備が進み、分析応用が可能となった。政策シナリオとして、E-commerce協定を対象に潜在的な経済的影響を考察し、国際学会で報告することができた。また、都道府県を対象にモデルとデータベースの開発を継続し、気候変動の経済影響分析に応用した結果を国内外の学会において報告できたことが本年度の成果といえる。
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今後の研究の推進方策 |
グローバルCGEモデルとデータベースの開発改良や、ベースラインシナリオの更新と精緻化を継続する。開発モデルを応用し、E-commerce協定の分析や、気候変動の経済影響分析を継続して行う。国際間の経済的分断を対象とするモデル分析も実施する。また、国内地域を記述するグローバルCGEモデルとデータベースの開発応用も継続する。
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