研究課題/領域番号 |
22K01469
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07040:経済政策関連
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研究機関 | 武蔵大学 |
研究代表者 |
二階堂 有子 武蔵大学, 経済学部, 教授 (20396899)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | Female entrepreneurship / Informal employment / Women empowerment / India / Inclusive growth / 金融包摂 / 労働参加率 / デジタル化 |
研究開始時の研究の概要 |
インドはこの数十年の高い経済成長に伴い、識字率や就学率の男女格差が縮小したが、女性の経済参加が進んでいない。例えば、同じ所得水準の国に比べ、インドの女性の労働参加率は極めて低い。 本研究では、インドにおいて①なぜ女性の労働参加が低いのか、②政府が実施する起業促進スキームや農村雇用保証事業が女性の労働参加やエンパワメントにどのような影響を与えているのかについて、既存のデータを用いた実証分析と独自の現地調査を通じて明らかにする。
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研究実績の概要 |
インドはこの数十年、高い経済成長率を続けており、一人当たり所得の上昇に伴い合計特殊出生率が低下し、女性の識字率や就学率が上昇している。こうした女性の経済参加を高め得る経済的・人口動態的条件が整っているのにも拘わらず、労働参加率は低下し続けている。また、女性労働者の多くが労働法や社会保障、有給休暇の適用外という意でインフォーマル雇用の状態である。本研究ではインドにおいて、(1)なぜ女性の労働参加が低いのか、(2)政府の実施する政策が女性の労働参加やエンパワメントにどのような影響を与えているのかについて、既存の二次データを用いた実証分析と独自の調査を通じて明らかにする。 この目的に向けて、初年度は①データベースの整備及び先行研究レビューと②現地調査の準備を行った。 ①について、デジタル金融サービスへのアクセスが女性の金融包摂や労働参加、エンパワメントに与える影響を分析するため、大規模家計調査を用いてデータベースの構築を行った。具体的には、インド政府・全国統計局(National Statistical Office: NSO)が実施している「全インド債務投資調査(All India Debt and Investment Surveys: AIDIS)」から、参照期間における世帯レベルの借入先や金融資産の保有先、デジタル金融サービスの利用の有無といった金融包摂に関わる情報や世帯主の属性情報を取得し、実証分析に必要な変数をデータベース化した。その一方で、関連論文のレビューを通じ執筆する論文の学術的な貢献を明らかにする作業をすすめた。 ②について、次年度に実施するタミル・ナドゥ州に立地する中小零細企業・女性企業家の調査に向けて、インド工科大学 マドラス校の連携研究者とスケジュールや調査項目などについて打ち合わせを行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2022年度はいまだコロナウイルス感染がインドでも続いていたため、出入国時の水際対策が厳しかった。そのため、長い期間インドに滞在することが難しく、現地調査に協力していただけるような業界団体の訪問が出来なかったため。
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今後の研究の推進方策 |
まず、上述のAIDISを用い、デジタル金融サービスの利用が家計の金融包摂や厚生をいかに向上させるかに関する論文の執筆を進め、学会報告などを通じてコメントをもらいながら推敲を続ける。 次に、次年度に実施する現地調査に向けて準備を進める。現地で調査に協力していただくタミル・ナドゥ州の業界団体をいくつか訪問し、調査を実施する時期や地域を調整する。
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