研究課題/領域番号 |
22K01488
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07040:経済政策関連
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研究機関 | 京都産業大学 |
研究代表者 |
池田 晃彦 京都産業大学, 経済学部, 准教授 (20825799)
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研究分担者 |
木口 武博 日本大学, 商学部, 准教授 (00409624)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 新興国 / 移民 / 景気変動 / 為替レート / 金融政策 / 労働市場 / 景気循環 / 財政金融政策 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、新興国における移民発生と景気変動との関係について明らかにするとともに、その関係をふまえて新興国内の景気安定化政策のあり方を提言することを目的とする。移民発生と景気変動の関係の分析では、動学的確率的一般均衡モデルに労働市場のサーチモデルおよび新興国特有の各種ショックや制約を盛り込む。また、景気安定化政策の検討においては、移民の影響をふまえたラムゼー問題を解くことにより、最適な財政金融政策や資本規制政策について分析する。
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研究実績の概要 |
令和4年度は、移民発生と金融政策の関係についての理論分析を中心に進めた。特に、新興国でみられる為替レートの安定を重視した金融政策の運営方針が、不況時の移民流出にどのように影響するのかについて検討した。分析では小国開放経済の設定の下で対外借入と労働市場のサーチモデルを導入した動学的確率的一般均衡モデルを利用し、為替レートの安定を重視する金融政策とともに国内供給ショックや海外金利ショックを加えて、移民数の変化をシミュレーションにより検討した。分析の結果、金融政策の運営方針が移民数に及ぼす影響は不況の原因によって異なることが示された。まず、不況が国内での負の供給ショックによって引き起こされている場合には、為替レートの安定化を重視する金融政策運営は移民流出を抑制し、国内雇用を増加させるとの結果となった。一方、海外金利ショックによる不況の場合には、同様の政策により移民流出が増加し、国内雇用が減少することが示された。また、理論分析と並行して、各国政府および国際機関による報告書や公開データの収集・整理など、実証分析に向けた作業も行った。この中で、新興国の過去の事例の中に上記の分析結果の例とみられる事象も散見されたが、必ずしも理論と整合的でない部分もあることから、データをふまえた定量的な分析を進めるとともにモデルの拡張を検討している。以上の分析結果および検討内容については、論文 “Exchange Rate Policies and Emigration in Emerging Economies” としてまとめ、日本経済学会2023年度秋季大会への投稿を完了し、発表に向けた準備を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
移民変動と金融政策の関係についてモデルの構築と分析が完了し、学会で結果を発表する準備が整ったことから、おおむね順調に進展しているものと判断した。
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今後の研究の推進方策 |
令和4年度の結果について学会発表を行い、参加者からの指摘をふまえてモデルの修正および拡張を行う。また、VAR分析等の手法により新興国の実際のデータの動きを検証し、それをふまえてモデルの改良を進め、政策効果のより詳細な推定を行う予定である。
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