研究課題/領域番号 |
22K01496
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07040:経済政策関連
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研究機関 | 一橋大学 |
研究代表者 |
久保庭 眞彰 一橋大学, その他部局等, 名誉教授 (70111698)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | ロシア / 資源依存経済 / 石油・ガス / 脱炭素経済 / 産業連関表 / EU-ロシア経済連関 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は,(1) 資源(石油・ガス)依存経済といわれる現代ロシアのよく知られた構造的特徴がいかに形成されたか,(2)ロシアの資源依存経済構造はソ連期から,現在までいかなる変容をとげてきたのか,(3) 現状はどのように分析されうるか,また(4)中長期的にみて,石油・ガスの需給関係は,脱炭素化の動向と合わせみて,どのような変動を被りうるのか,という4つの課題について歴史的・統計的(計量的)に分析し,現状と展望シナリオを数量的に提示することを目的としている.時系列分析の徹底活用,長期産業連関表データベース(予測表2025, 2030, 2035, 2050年を含む)の構築と利用を行う.
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研究実績の概要 |
本研究では,ロシアの資源依存経済構造の形成と変容のプロセスを歴史的・統計的に明らかにする. 2022年度では,帝政期,ソ連期,現代における石油(原油・精油)と天然ガスの生産と貿易を歴史的系列として推計・編成することを試みた.1970年代オイルショックによる油価高騰からの交易利得急増,それらに伴う1960年代コスイギン経済改革(市場経済化)構想の大幅な後退と軍拡を資料により跡付けるよう努めた.現代ロシアでは,2000年代の持続的油価高騰という状況による相対的高成長・好景気(製造業生産興隆を含む)の実現の実態を時系列分析と産業構造分析によって解明した.2014年以降のクリミア領有に対する欧米経済制裁のもとでの成長停滞,COVID-19とウクライナ侵攻による成長急減と回復過程も国際比較研究する.さらに,脱炭素化とEUのロシア資源回避をにらんだ中長期分析では,想定しうる可能なシナリオを模索した.特にEUの脱炭素化と,ウクライナ戦争後のロシア資源脱却を考慮したロシア経済の脱炭素経済への移行を考察対象とした.また,ロシア政府の森林吸収による脱炭素化政策、EUのロシア産ガス代替政策と脱炭素化政策について,米国の学会において中間結果として国際発信し,議論を深めることを試みた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2022年2月にロシアによるウクライナへの侵攻が始まり、その影響はロシア・EUの脱炭素経済への移行にも及んでいるため、研究計画の軌道修正が必要になった。
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今後の研究の推進方策 |
現代ロシアについて,2000年代の持続的油価高騰という状況による相対的高成長・好景気(製造業生産興隆を含む)の実現の実態を時系列分析と産業構造分析によって解明する作業を継続する.2014年以降のクリミア領有に対する欧米経済制裁のもとでの成長停滞,COVID-19とウクライナ侵攻による成長急減と回復過程も国際比較研究の中に位置付けることを試みる.さらに,脱炭素化とEUのロシア資源回避をにらんだ中長期分析では,想定しうる可能なシナリオの模索を継続し,EUの脱炭素化と,ウクライナ戦争後のロシア資源脱却を考慮したロシア経済の脱炭素経済への移行に関する研究を推進させる.
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