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高等教育での学びが主観的ウェルビーイングに与える影響

研究課題

研究課題/領域番号 22K01520
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分07050:公共経済および労働経済関連
研究機関九州大学

研究代表者

浦川 邦夫  九州大学, 経済学研究院, 教授 (90452482)

研究分担者 姉川 恭子  北九州市立大学, 経済学部, 准教授 (00749096)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
キーワード高等教育 / 主観的厚生 / 格差 / ウェルビーイング
研究開始時の研究の概要

本研究では、高等教育での学びの経験が、人々の主観的なウェルビーイング(幸福感・健康感・仕事満足度など)に与える影響について大規模アンケート調査から得られた個票データをもとに検証を行う。分析では、高等教育の経験が、卒業後の収入のほか就業選択、結婚、健康水準、社会参加など多様な指標と強く関連していることを踏まえ、それらを経由した間接的な効果を捉えながら、高等教育と主観的ウェルビーイングの関係を包括的に考察する。

研究実績の概要

本研究に関連する主な研究業績としては、2023年度にSocial Science Japan Journalに掲載されたLi, Urakawa and Suga (2023)"Gender gap in the returns to college education in Japan: The impact of attending a high-ranking college"が挙げられる。同研究では、アンケート調査の個票データをもとに、日本の大卒者の男女間賃金格差の状況とその要因について、Newman-Blinder Decompositionの手法をもとに検証を行っている。分析では、高ランク大学の賃金プレミアムの男女差についてもあわせて推計し、女性の賃金プレミアムが男性と比べると相対的に低い水準にある点を指摘した。本研究では、上記の研究で得られた知見を踏まえながら、今後も個票データを活用した関連研究を行う予定である。
本年度は、昨年度に続き、高等教育における学びの経験が人々の主観的ウェルビーイングに与える影響についての指針を得るため、独自アンケート調査の実施に向けた準備を進めてきた。本調査では、回答者に幸福度や生活満足度を尋ねる評価法による主観的ウェルビーイングの測定を基軸としつつ、 人生において意味や目的・為しえたことなどがあるかに価値を置くエウダイモニア法に基づくウェルビーイングの測定にも一定の関心を払う。プレ調査は2023年度に実施済みであり、本調査は、2024年度中の実施を予定している。
また、菅・浦川・李 (2022)で日本の大学院卒の賃金プレミアムの特徴について、先行研究ならびに著者達の分析結果に基づく検証を行ったことにともない、同研究を応用した研究を年度内に執筆し、学会発表ならびに論文投稿を予定している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

2023年度は、本研究に関連する論文を1本刊行し、プレ調査の実施を行うことができたが本調査の実施は次年度に持ち越す形となった。
2024年度は、本調査の実施を行い、論文の発表ならびに論文・専門書の刊行を目指したい。

今後の研究の推進方策

2023年度は、本調査の実施に向けてプレ調査を実施し、調査票の設計についての改善を行った。2024年度は、実際に本調査を実施し、回答結果から収集した個票データ分析を重点的に行う。その際、回答者の居住地域情報をもとに、生活環境に関する市区町村別データとのマッチングをあわせて行い、地域の生活環境の影響を制御する。高等教育が主観的ウェルビーイングに与える影響の分析結果を海外の先行研究の結果と比較し、特に専門分野による差や男女差に注意を払いながらその特徴を検証することにより、わが国の高等教育に対して重視すべき内容や政策を特定化する作業を行う。
なお、Nikolaev and Rusakov (2016)の分析が示唆するように、教育と主観的ウェルビーイングとの関係を包括的に捉えるためには、同一個人に対してできる限り幅広い時代の調査を行うことが必要である。そのため、本研究は、研究代表者が過去の研究プロジェクトで2010年代に収集したアンケート調査(パネル調査)への回答者にも追加的にアンケートを実施する。このことにより、高等教育が人々の主観的厚生に与える影響をより多面的に捉えることを目指す。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (4件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 2件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] "The gender gap in the returns from college education in Japan: The impact of attending a high-ranking college"2023

    • 著者名/発表者名
      Wen Li, Kunio Urakawa, and Fumihiko Suga
    • 雑誌名

      Social Science Japan Journal

      巻: 26 号: 1 ページ: 1-15

    • DOI

      10.1093/ssjj/jyac026

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書 2022 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [雑誌論文] Effects of university graduation on multidimensional poverty risks in Japan2022

    • 著者名/発表者名
      Wang, W., Urakawa, K. and Anegawa, K.
    • 雑誌名

      International Journal of Educational Research

      巻: 113 ページ: 101973-101973

    • DOI

      10.1016/j.ijer.2022.101973

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [雑誌論文] 「日本の大学院賃金プレミアム」2022

    • 著者名/発表者名
      菅史彦・浦川邦夫・李文
    • 雑誌名

      『日本労働研究雑誌』

      巻: 742 ページ: 64-80

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] Effects of time poverty on leisure activities and subjective well-being: An analysis using Japan's data2023

    • 著者名/発表者名
      Urakawa, K.
    • 学会等名
      WINIR Conference
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会

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公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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