研究課題/領域番号 |
22K01531
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07050:公共経済および労働経済関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
安部 由起子 北海道大学, 経済学研究院, 教授 (50264742)
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研究分担者 |
谷川 琴乃 北海道大学, 経済学研究院, 助教 (00985335)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2025年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 女性 / 学歴 / 正規雇用 / 配偶関係 / 女性就業 / 女性活躍 / 地域差 / 人口減少 / 地域 |
研究開始時の研究の概要 |
第1に、女性就業・女性活躍の地域差と人口減少の関連を、統計データを用いて分析する。用いる統計は、国勢調査・就業構造基本調査・社会生活基本調査・賃金構造基本統計調査等である。人口減少に悩む地域では、女性の就業や、女性活躍が推進される傾向が強いのか、そしてそれらの推進施策によって、問題が少しでも解決されているのかを、統計を通じて検証する。第2に、女性管理職が登用できている地域では、どのような施策がそれを可能にしているのかを、現場での認識を確認することで把握する。具体的には、日本で女性管理職が多い地域において、何が女性活躍を可能にしているのかを、ききとりを通じて明らかにする。
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研究実績の概要 |
1982年から2017年(5年毎)の就業構造基本調査の個票データを用い、女性の配偶関係別(有配偶・無配偶)に、学歴別就業率がどのように推移したのかをみた。特に、日本の高学歴女性に働かない傾向がある、ということが2000年くらいまでのデータをもとに指摘されていたが、就業率の学歴差がどのように変化したのかについて検証を試みた。主な結果として以下を得た。第1に、有配偶女性について就業率の学歴差は縮小したが、これは40-54歳の変化による部分が大きい。25-39歳の年齢層については、学歴間の就業率の差は小さい。1982年から2017年の間のどの年度についても、25-39歳の大卒有配偶女性の就業率は、同じ年齢層の高卒有配偶女性のそれとほぼ同水準である年度が多く、前者が後者より低い場合でもその差は2.1パーセンテージポイント未満であった。一方、40-54歳の年齢層については、1992年の大卒有配偶女性の就業率は、高卒有配偶女性の就業率よりも11.3パーセンテージポイント低かった。しかし2017年には、その差が2.5パーセンテージポイントまで縮まった。第2に、正規雇用就業率については、女性の中での学歴差が拡大した。無配偶・有配偶のいずれについても、正規雇用で働く割合(正規雇用者数の人口に対する比率)は1980年代から2010年代まで一貫して、大卒者のほうが高卒者のほうが高かったのだが、近年この差は拡大した。1982年には、有配偶女性の大卒と高卒の正規雇用就業率の差は10.4パーセンテージポイントであったが、2017年にはこの差が19.4パーセンテージポイントまで拡大した。配偶関係については、無配偶女性の就業率が有配偶女性よりも高いが、この差は近年には縮小した。総じて、学歴間の正規雇用就業率の差は拡大したが、配偶関係間の差は縮小したといえる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
女性就業や女性活躍に関する変化をデータから検証する作業をしているが、これまで結果をまとめることのできたデータは最近のものまでを含んでいない部分も多く、充分な検証ができていないと感じている。そのため、論文投稿する前には、より近年のデータを用いることや、新たに見つけた傾向を複数の異なるデータから確認してからにしたいと考え、査読誌への投稿が遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
いくつかのトピックについて、分析方法はある程度めどがついており、一部については集計・分析作業は大部分終了しているので、それらを論文にまとめて投稿することを早めに行ない、フィードバックを得て、よりよい研究につなげていきたい。
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