研究課題/領域番号 |
22K01541
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07050:公共経済および労働経済関連
|
研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
原 ひろみ 明治大学, 政治経済学部, 専任准教授 (50605970)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
|
キーワード | ジェンダー規範 / 情報公開施策 / 在宅勤務 / テレワーク / 男女差 / 家計生産 / 家事 / 育児 / 労働 / 子育てと労働 |
研究開始時の研究の概要 |
日本は保守的なジェンダー規範が強く根付いている国の1つであることが知られている。本研究では、自然実験の枠組みを使って、子育て支援制度の利用に対するジェンダー規範の影響と、在宅勤務がジェンダー規範に与える影響の有無を明らかにすることを通じて、ジェンダー規範が労働市場における成果や家計構成員間の役割分担の変化をもたらし、仕事と生活の両方に影響を及ぼす重要な要因であることを明らかにする。
|
研究実績の概要 |
本年度は、分析1の子育て支援制度とジェンダー規範の関係に関する分析に関しては、分析に使用する政府統計の個票データの利用申請作業を行い、入手するところまで完了した。さらに、データクリーニングや基礎的な分析を行った。また、論文の構成を検討するために、情報公開施策の効果検証に関する諸外国の文献サーベイを行った。当該分野の研究自体がまだ始まったところであるため研究成果の蓄積は十分には行われていないが、すでにいくつか発表・公刊されている論文があり、これらをサーベイしたところ、諸外国ではこの種の施策が労働市場における格差を縮小することを示す結果が多く、効果がないとする分析結果はわずかであることが判明した。そのメカニズムとして、相対的に有利な立場にある労働者の交渉力を弱めるため、不利な立場にある労働者との経済的ステータスの格差を縮小することを示す理論モデルがあり、それを支持する実証分析の結果も報告されていることもわかり、当該分野の動向を把握することができた。 また、分析2の在宅勤務の普及のジェンダー規範への影響に関する分析に関しては、すでに入手していたデータを用いた現段階での分析結果をとりまとめ、国際学会で発表することで経済学者から複数のコメントをもらうことができた。参考になりそうなコメントを反映させ、分析をブラッシュアップするとともに、新たなデータを入手することもできたため、あわせて追加分析を行う準備が整った。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
分析1に関して、分析に使用する政府統計の個票データの利用申請作業は通常時間がかかるが、すでに完了しており、分析にとりかかれている。また、先行研究のサーベイもかなり進めることができた。 また、分析2に関して、国際学会で口頭発表を行うとともに、これまでの分析を補完・ブラッシュアップするために必要な追加データも入手できている。 よって、研究初年度としてはおおむね順調に進んでいると評価できる。
|
今後の研究の推進方策 |
分析1に関しては、これまでに完了している文献サーベイの内容や分析結果をとりまとめ、初稿原稿として形作り、ディスカッションペーパーとして公表できるように準備を進める予定である。分析2に関しても、追加分析を行いながら原稿の改訂を行い、国際学術雑誌に投稿できるレベルとなるよう引き続き作業を続ける。また、分析1と分析2の両方に関して、国内・海外の研究者とディスカッションをし、よりよい改訂につなげるため、国内・海外を問わずセミナーや学会報告の機会を探す予定である。
|