研究課題/領域番号 |
22K01577
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07060:金融およびファイナンス関連
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研究機関 | 東京都立大学 |
研究代表者 |
八木 恭子 東京都立大学, 経営学研究科, 准教授 (80451847)
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研究期間 (年度) |
2023-02-10 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 企業買収 / リアルオプション / シナジー効果 / 企業価値 / アーンアウト条項 / 資金調達 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,アーンアウト条項と資金調達を考慮した企業買収の評価モデルを構築することで,買収戦略を理論的に分析する.アーンアウト条項とは,「買収企業が被買収企業へ支払う買収価格の一部を,買収取引の成立後に財務目標またはその他の業績目標の達成を条件とする取り決め」である.本研究の目的は,アーンアウト条項が買収戦略に与える影響を分析する.さらに,アーンアウト条項が資金調達における最適な資本構成やデフォルトにどのような影響を与えるかを明らかにする.特に,モデルが複雑であることから,解析的な分析だけでなく,数値的な分析を要するため,計算アルゴリズムの開発にも取り組む.
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研究実績の概要 |
企業が市場競争力を高めるために他企業を買収する理由に,大きな関心が集まっている.これは主に,合併が完了する前後の企業価値に対するM&Aの影響をモデル化することで評価される.合併後の企業の収益性をモデル化することで,シナジー効果がどの程度実現されるかは、モデル内のパラメータと水平方向,垂直方向もしくは複合企業などの合併の種類によって異なる. 本研究では,合併後の企業の利益に対する合併のシナジー効果を明示的に組み込むことによって,M&Aを評価するためのフレームワークを開発した.実際には,売買を考えている企業は通常,対象企業にとって少し低い入札価格を提示するか,買収者にとってかなり高い販売価格を要求するかのどちらかを選択する.実際の購入価格は,交渉によりこれらの価格の間になるはずである.買収企業と対象企業がそれぞれ見積もった将来の利益フローの不一致を調整するパラメータを導入することで,この交渉プロセスをモデル化した. 特に,どのような状況で合併が起こり得るかを解析的かつ数値的に示した.これは,買収企業が M&Aから価値を生み出すために,垂直市場または水平市場の対象企業から何を求めるべきかということ示すことができる.このモデルは,M&A市場におけるゲームは,最適なパートナーを見つけて,M&Aによって生み出された余剰を 2 つの企業に配分することであるといういくつかの発見を提供する.モデルの利益フロー構造によって,パラメータは合併間隔と合併後の企業の価値を決定する際に特に重要である. 本研究では,買収企業の視点から見た合併後の企業の評価に焦点を当てた.分析において,買収企業の利益と対象企業の利益の流れの間の相関係数が,将来の利益フローの不一致を調整するパラメータだけでなく合併後の企業価値を決定する際に重要な役割を果たしていることを示した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
企業買収の基礎となる評価モデルの構築が完了した.
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今後の研究の推進方策 |
アーンアウト条項や資金調達を考慮した分析を進めていく.
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