研究課題/領域番号 |
22K01582
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07060:金融およびファイナンス関連
|
研究機関 | 武蔵大学 |
研究代表者 |
徳永 俊史 武蔵大学, 経済学部, 教授 (30329750)
|
研究分担者 |
和田 賢治 慶應義塾大学, 商学部(三田), 教授 (30317325)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
|
キーワード | Long Run Riskモデル / Epstein-Zin型選好 / GMM / 家計調査 / 個票 / 消費支出 / 異質性 / 資産価格 |
研究開始時の研究の概要 |
従来妥当だとされてきた代表的個人の存在を仮定する動的一般均衡資産価格モデルでは、観察された実現資産価格収益率を定量的に説明できない事が判明している。近年では、ヘッジできない消費リスクが資産価格に及ぼす影響を米国の家計調査の個票データを用いた非完備動的一般均衡モデルで考察したConstantinides and Ghosh(2017)が注目されている。日本でも彼らのモデルはヘッジできないリスクの資産価格への影響を有効に説明できるのかを解明するために本研究は、彼らが提案するモデルを応用し、家計調査個票データを用いてヘッジできない消費リスクの重要性及びそのリスクの資産価格への影響を考察する。
|
研究実績の概要 |
まずEpstein-Zin型選好モデルを推定する際の基礎となるLong Run Risk (LRR)モデルを日本の消費・配当データに当てはめるときの問題点について整理した。分析では(1)データ間隔と(2)消費データの定義のさまざまな組み合わせを使ってモデルから得られるモーメントの符号条件との整合性、GMMを使ったモデル適合性をチェックした。まず日本の配当データの特徴として3月決算企業が圧倒的に多く、すなわち3月と9月の配当支出が他の月に比べ圧倒的に多く、月次や四半期データに強い季節性が現れることから年次データを使うことが適切である。一方、消費データについては通常、非耐久消費財とサービス支出の合計を使用するのが一般的であるが日本のサービス支出を含めるとモデルの当てはまりが悪くなる傾向をみつけた。以上、日本のデータの特殊性も考慮したとしても、米国データを使いLRRモデルをベースとしたEpstein-Zin型選好モデルをGMMで推定したConstantinides and Ghosh (2011)の推定結果は非常に不安定であり、多角的な考察が必要であることを確認した。また、日本のデータの限界として、年次データを使用する場合、標本数が少ないという問題があるため、モデル全体の推定には工夫が必要であり現在は各パラメーターの感応度分析を行っているところである。なお、Epstein-Zin型選好モデルをGMM推定については、Constantinides and Ghosh (2011)と同様に統計パッケージRに組み込まれた関数“DEoptim”を使用している。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
最終的に推定したいモデルのベースとなるLong Run Riskモデルの日本データへの当てはまりが想像以上に悪く、その原因の追求と対応策の検討に時間がかかっている。
|
今後の研究の推進方策 |
現在行っている分析について、日本における先行研究は調べた限りでは見つからないため、もう少し分析を進めたところで論文にまとめる。その上で、本研究の最終目標である消費者の異質性を取り込んだモデル推定を行う。
|