研究課題/領域番号 |
22K01591
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07070:経済史関連
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
広川 佐保 新潟大学, 人文社会科学系, 准教授 (90422617)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2025年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | モンゴル / 東北アジア / 中国 / ロシア / 内陸アジア / 漢人 / 移民 / 交易 / ユーラシア |
研究開始時の研究の概要 |
清朝時代、ロシアと中国のあいだに陸路のキャフタ交易が開かれたことで、その中継地であるモンゴルのイフ・フレーは、商人やモノが行き交う場所として繁栄した。20世紀初頭、シベリア鉄道の開通により、ロシアの茶貿易が陸路から海路へと転換すると、キャフタ交易は徐々に衰退に向かった。これによって未開発の土地や天然資源が豊富であったモンゴルでは、陸路の交易に代わって鉱山開発や農場開発が進められてゆく。本研究では、近代モンゴルが交易から経済開発の場へと転換する過程について検討し、ユーラシア内陸部からアジア経済史をみてゆく。
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研究実績の概要 |
本研究では、20世紀前半、モンゴルにおけるロシア人や中国人の経済活動に着目し、キャフタ交易から資源開発への転換について検討を行うことを目的とし、主として20世紀前半、モンゴルにおける交易の変化と都市発展を中心に研究を進めつつある。 本年度は主に国内で研究を実施予定であり、計画通りに電子機器類を購入し、資料の保存や整理を行った。また国内の大学附属図書館等において、文献調査や収集を行う予定であったが、新型コロナ・ウイルスの流行拡大により計画を変更し、外国から資料・文献を取り寄せ、収集することに注力した。近年中国では文書館の一次史料の刊行が相次いでいるが、これらを一部入手することができた。 今年度の研究実績としては、熊本大学大学院人文社会科学研究部主催の研究会(「牧畜社会における適応と共生のメカニズムに関する歴史学・人類学的研究」)において「モンゴル《牧畜》社会における《他者》:文書に見る《共生》 」と題する報告を行った。ここでは,近代モンゴルの盟旗制度を手掛かりに,遊牧地域の人的結合を考察し、ハルハ・モンゴルの文書史料をもとに,モンゴルにおける「他者」(漢人,ロシア人など)に対する人的把握について考察したものである。また本研究課題とは直接関係はないが、滋賀県立大学の研究会において「蒙疆政権時代、オラーンチャブ盟の設立とその崩壊」と題する報告を行っている。さらに、ハルハ・モンゴルの森林の歴史的変遷に関する書籍(堀田あゆみ,渡邊三津子,鈴木康平編著『モンゴルにおける木材利用と森林後退:19世紀末から20世紀前半の写真より』)の新刊紹介を行った。いずれの場合も今後の研究の方向を考えるうえで有益であった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
国内資料館等で資料調査を自由に行うことはできなかったものの、書店を通じて国外の関連資料を入手し、その分析を進めることができた。
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今後の研究の推進方策 |
これまでの調査・研究を継続するとともに、国内外の文書館や附属図書館において、中国の地方志や定期刊行物の収集を進める。これと並行して、中国やモンゴル国などの研究者と意見交換や研究交流を行う計画である。また、可能であれば、関連するマイクロ資料や、国外の文書館についても調査や検討を進めたい。以上の方法により、モンゴルにおける漢人・ロシア人経済活動の実態や経済開発について、具体的な事例に則して解明することを目標とする。
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