研究課題/領域番号 |
22K01608
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07070:経済史関連
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研究機関 | 和歌山大学 |
研究代表者 |
長廣 利崇 和歌山大学, 経済学部, 教授 (60432598)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2025年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2024年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2023年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2022年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
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キーワード | 徴兵制 / 企業家 / 格差 / キャリア形成 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、戦間期日本(1920-36年)における徴兵制が個人のキャリア形成・企業・産業に与えた影響を検討する。経済史研究では、産業や労働の研究が進展しているが、徴兵制の存在が等閑視されてきた。入営による約3年のブランクが、個人のキャリア形成にどう影響したかを探ることは、重要な課題となろう。国際的には、軍務経験の個人に及ぼす影響を探る、ライフコース研究が盛んであるが、戦間期日本の徴兵経験者へのインタビュー調査は、対象者のほとんどが死去しているため、困難となる。そこで、自伝や伝記などの史料を使用する歴史分析の手法によってこの課題に取り組む。
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研究実績の概要 |
今年度は、第1年目に行った基礎作業の分析に加えて資料調査を継続した。前年度は、帝国大学などの高等教育を受けた者と、義務教育もしくは高等小学校を修了した者との間における、徴兵制に対する態度、徴兵制の職業への影響を論点として見出した。 これを受けて今年度は、徴兵経験者の徴兵制に対する態度を文献資料から抽出する作業を行った。この作業は、複数の自伝を通読しながら該当箇所を発見するものである。しかし、使用する資料が現在から過去を振り返る形式の自伝であるため、記述内容を精査する必要が生じた。そのため、他の関連する資料から自伝の語り手のおかれた状況などを把握することに努めた。また、徴兵経験者と非経験者との職業への影響を検討した。具体的には、徴兵経験者の入営前後の職業を検討した。入営前後の職業を検討する際、従事した職業や所属した企業の名称のみならず、その個人のおかれた状況を文献から抽出した。 資料調査については、国立国会図書館や各地の公文書館において、徴兵制に関する資料を収集した。あわせて、古書店等を通して徴兵経験・従軍経験者の自伝等を収集した。 今年度の研究を通して徴兵制における平等/不平等は、多様性があることを把握した。また、法制度との関連性も検討する必要があることがわかった。なお、徴兵経験をしていない者のキャリア形成の事例となる松田一郎についての研究もこの科研費研究の一部となる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究対象の分析は順調に進んでいる。公文書館における徴兵制に関する資料は閲覧制限があるため期待する通りには進まないが、当初より予測していたことであるため、「おおむね順調に進展している」と評価できる。
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今後の研究の推進方策 |
徴兵制度の平等性に関して数量化できる指標のみならず、質的な指標を踏まえた研究を行う。また、法制度の形成プロセスが把握できる資料を公文書館等において調査する。
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