| 研究課題/領域番号 |
22K01622
|
| 研究種目 |
基盤研究(C)
|
| 配分区分 | 基金 |
| 応募区分 | 一般 |
| 審査区分 |
小区分07070:経済史関連
|
| 研究機関 | 福山大学 |
研究代表者 |
張 楓 福山大学, 経済学部, 教授 (30467758)
|
| 研究分担者 |
平野 恭平 甲南大学, 経営学部, 教授 (10509847)
中島 裕喜 南山大学, 経営学部, 教授 (50314349)
|
| 研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
|
| 研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
|
| 配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2025年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
|
| キーワード | ラジコン / 農薬散布 / 無人ヘリコプター / 病害虫防除 / 紡績企業 / 多角化 / 模型 / エンジン / 飛行機 / 無線装置 / ホビー / 産業ドローン / ラジコン模型航空機産業 |
| 研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、近現代日本経済の展開過程における分散型生産組織の類型的特質について、ホビー産業としての戦前・戦後ラジコン模型航空機産業を事例に、多様化・高度化を辿る製品需要との相互関係のなかで形成・再編されるラジコン模型航空機産業固有の生産組織のあり方を、近年の経営学で提示されたアーキテクチャ論にも依拠して経済史・経営史的見地から実証的に考察することにある。
|
| 研究実績の概要 |
まず、代表者として2024年7月にリスボンにて開かれたヨーロッパ経営史学会において紡績産業からラジコン産業への事業展開をテーマとする発表を行った。また、農林水産航空協会と新潟県植物防疫協会、新潟農業共済組合を訪問して農林水産業の病害虫防除分野において幅広く使用されている産業用航空農薬散布事業の歴史的展開に関する資料調査および関係者へのインタビューを行った。その一部の資料を利用して英語を執筆した。そこでこれまで経済史・経営史研究でも農業史研究でも手付かず状況にあった病害虫防除を目的とする航空農薬散布の歴史的展開について主に1950~1980年代半ばを中心に明らかにした。 つぎに、研究分担者の中島氏は、『ラジコン』技術の1960年代の広告などで当該業界の企業名などを調査した。また『双葉電子工業』60年史、70年史、創業者の衛藤五郎の自伝などを通して戦時の日立製作所茂原工場や戦後の真空管製造業の中から成長してきたことが確認されている。また、研究分担者の平野氏は、戦後の紡績企業の多角化について,先行研究でみられるように十大紡を中心とするのではなく,新紡・新々紡といった中小の紡績企業までを対象として,社史などの二次文献を用いてひきつづき調査を行った。傾向として,十大紡のうち規模の大きな企業には合成繊維への進出とそれを起点とする化学事業への進出がみられたが,その他の企業では合成繊維のユーザーとして既存事業の高付加価値化を図るとともに,化学のような装置産業とは異なる分野,アパレル,機械,情報システム,不動産などに多角化する動きがみられた。一方,中小紡績企業は,十大紡と異なり,資本と技術の蓄積が浅く,多角化は限られており,合成繊維のユーザーとなっていった他,いくつかの個性的な事業展開が経営者の個性に基づいて展開されたことがわかる。
|
| 現在までの達成度 |
現在までの達成度
3: やや遅れている
理由
やや遅れているとしたのは、科研において取り組むこととしているラジコン模型航空機産業の歴史的展開を明らかにしていくうえで必要とされる5つの課題(①戦前~戦後高度成長期の模型飛行機とラジコン飛行機の形成と発展過程、②戦前・戦後における模型エンジン産業の形成・発展過程、③無線装置の具体的な展開過程、④世界市場を席捲したラジコンヘリコプターの発展過程、⑤ホビーラジコンヘリから産業用ドローンへの変化過程)のうち、とりわけ④と⑤をすすめていくなかで、農薬散布分野においてラジコンヘリが大活躍していたという想定外の発見があったことから、それについて農林水産航空協会や代表的な農業産地の新潟での資料調査を実施するなどして立ち入った調査において多くの時間がかかったためである。しかし、④と⑤の研究における画期的な研究成果はとりわけ①の歴史的な位置づけにとってきわめて重要な意味をもつこととなる。最終年度2025年度にとりわけ①と②の課題について重点的にすすめていくこととする。
|
| 今後の研究の推進方策 |
本研究の具体的課題は、①戦前~戦後高度成長期の模型飛行機とラジコン飛行機の形成と発展過程、②戦前・戦後における模型エンジン産業の形成・発展過程、③無線装置の具体的な展開過程、④世界市場を席捲したラジコンヘリコプターの発展過程、⑤ホビーラジコンヘリから産業用ドローンへの変化過程、の5つとなるが、代表者が分担する①と②、④、⑤に対して幅広い調査を実施してきており、それを踏まえた研究成果を学会と論文により積極的に発表していく。今後の予定として、2025年6月末にブリュッセルにて開催されるヨーロッパ経営史学会にて農薬散布航空機の歴史的展開過程をテーマとする報告を予定している。それにあわせて新たな農薬散布航空機産業に関する新たな英語論文を発表する予定である。さらに、2026年7月にトロント大学にて開催される世界経営史大会に戦前・戦後のラジコン産業発展をテーマとする学会報告の応募を行った。分担者の中島氏はひきつづき、双葉電子工業の経営展開について周辺資料をさらに調査すると同時に、京商(1963年創業)など他の企業についても資料収集を行ったうえ、個別企業の経営発展だけでなく、関連産業(電子部品、玩具など)の意義についても検討していく予定である。もうひとりの分担者の平野氏は、戦後の繊維企業の多角化の全体像をさらに明らかにしていくなかで、プラスチック製造にかかわる化学事業もさることながら,それらを原料に加工するプラスチック加工への進出に着目している。ラジコンの製造と深い関係性があると考えたためである。1つは必要とする資本規模が小さく済むこと,もう1つは機械技術の蓄積が活かせることなど,参入障壁が低かったことが考えられる。その意味では,ヒロボーの電気機械やモールドなどへの進出を紡績事業からの蓄積を中心に丁寧に見直すことも課題としたい。
|