研究課題/領域番号 |
22K01627
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07080:経営学関連
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
永吉 実武 静岡大学, 情報学部, 教授 (80620616)
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研究分担者 |
中村 潤 中央大学, 国際経営学部, 教授 (80532994)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 失敗からの学び / 組織ルーティーン / 情報技術 / 知識経営 / 組織的な失敗からの学び / 個人記憶 / 記録 / 組織記憶 / 情報技術の影響 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の命題は、「組織的な『失敗からの学び』」において情報技術が組織記憶を強化するのか、である。組織的な「失敗からの学び」を得意とする組織は少なく、失敗が繰り返されることがある。この理由の一つは、組織記憶がうまく機能していないことであると推察する。組織記憶を補完するものであると考えられる情報技術が、それを強化するという報告もあれば、逆説的な報告もあり、一定の結論に至ってない。そこで、個別企業調査と大規模調査の両面からデータ取得・分析を行う。これによって、組織的な「失敗からの学び」において、1)情報技術がデータ保存を強化するか、2)情報技術がデータ引き出しを強化するか、を明らかにする。
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研究実績の概要 |
「失敗からの組織的学び」を得意としている組織は少ない。本研究では、日本の企業勤務者・組織従事者を対象に実施したアンケート調査に基づき、探索的因子分析を通じて、「失敗からの組織的学び」に関する組織ルーティーンが、どのように形成されるのかを探った。これによって以下のことが明らかになった。 (1)コンピュータを利用したアーカイブがあることによって失敗からの学びの蓄積が促進される、(2)蓄積された実績があることによって組織メンバーの貢献意欲が増加し、組織ルーティーンの形成を促すとともに、組織メンバーの失敗からの学びの活動に対する参画意欲と評価が増す、(3)その参画意欲と評価は貢献意欲によっても高められる、(4)参画意欲と評価が高まることによって、失敗からの組織的学び活動が促進され、組織ルーティーンの形成にもつながる。 一方で、アンケートの質問項目や収集されたデータの信ぴょう性や一貫性に懸念があるため、引き続き研究を継続実施することによって、より信ぴょう性の高い理論として昇華させる必要がある。 また、派生領域として、本研究の成果を応用しながら脳の記憶と学習のメカニズムによるアプローチによる理論拡張にも挑戦することを計画している。本課題研究の従事者間の議論により意欲的にチャレンジしつつあり、本来研究に対するポジティブフィードバックを獲得することを想定している。このために、本来研究と拡張研究の相乗効果を獲得することを念頭に、本研究の研究チーム以外の研究者とも意見交換を継続的に実施している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
不特定多数の被験者からのデータ収集を円滑に行い、その結果を分析することを通じて、仮説的な理論モデルが構築できた状態にある。さらに、収集したデータを再検証することによって、派生的な発見を行うことができないか探索的な研究を遂行している。一方で、特定企業勤務者からのデータ収集が遅れている。順調に推進している部分、先行着手している部分、当初の予定通りに推進できていない部分が混在しているが、総合的に考慮して、おおむね順調に進展していると判断する。
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今後の研究の推進方策 |
仮説的な理論モデルに基づいて、当初予定していた特定企業の協力を得てデータ収集を行う。その結果を分析するとともに、不特定多数の企業から収集したデータに基づく分析の結果を比較することを通じて、考察を実施する。
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