研究課題/領域番号 |
22K01632
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07080:経営学関連
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研究機関 | 北星学園大学 |
研究代表者 |
黄 雅ブン 北星学園大学, 経済学部, 准教授 (50609914)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 台湾EMS企業 / グローバルバリューチェーン / 企業成長の理論 / 鴻海 / ペガトロン / グロバールバリューチェーン / 成長過程 / 資源・能力アプローチ / Edith Penrose / 電子機器の受託製造サービス(EMS) |
研究開始時の研究の概要 |
本研究はEMS企業の成長を促した企業内部側の要因とは何か、という学術的問いに答えを出すために、現EMS業界1位のホンハイ社と2位ペガトロン社を研究対象とする。そして、「企業の成長とは、知識や経験の発展を通じて生産の拡大と多角化をもたらす動的プロセス」というペンローズの視点に立って、台湾EMS企業が保有する資源や能力の発展のダイナミズムに即して成長過程を分析する。 そこで本研究はまず、ペンローズが分析を試みている企業成長モデルの体系化を試みる。次に、台湾EMS企業を研究対象にエレクトロニクス業界における水平分業ネットワークの視点を組み入れることによって、ペンローズの企業成長論の拡張を目指す。
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研究実績の概要 |
本研究はグロバールバリューチェーン研究の中でも、サプライヤーであるEMS企業(受託製造企業)の成長過程の解明に焦点を当て、台湾EMS企業の2社(現EMS業界における1位と2位)を研究の対象とする。令和5年度には、1)先行研究・文献サーベイ、2)事例調査、3)研究途中経過の発表、という研究内容を予定していた。 1)先行研究・分権サーベイに関しては、これまで取り組んできたペンローズの企業成長論と資源・能力アプローチに関する研究をより精緻化するためにレビュー研究を行った。また、2)事例調査に関しては、研究対象の鴻海社について、主にデータベース利用を通じた資料収集をし、ペガトロン社について訪問調査を行い、情報を入手した。具体的には、台湾系EMS企業およびエレクトロニクス企業を訪問し、研究開発にかかわっているエンジニアにヒアリングをした。そのヒアリング調査を通じて、台湾系EMS企業がブランド企業とサプライヤーとの業務内容、提携関係についてより詳しい知見を得ることができた点は大きな成果となった。 その中で、途中計画の発表に関しては、2023年9月に行われたアジア経営学会第30回全国大会、および、EIBA 2023-49th Conference of the European International Business Academyで研究報告をした。また、当該年度の研究成果の発信については、「日本経営学会誌」という学会誌に投稿した。査読時に査読者から貴重なコメントを頂き、さらに学会の報告時にもフロアから多くのコメントを頂いたため、今後の研究成果の質の向上に役立てていくことができる成果が得られたと考えられる。 次年度以降は、引き続き現地調査を行い、台湾EMS企業の成長の違いを決める要因をブランド企業との取引関係の要因から詳細に検討し、台湾EMS企業の成長過程に関する最新研究を提示することを目的とする。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
計画していた1)~3)の項目をもとに研究を進めたが、当該年度は理論構築を目標とし、概念(フレームワーク)に関するレビュー論文を執筆する予定であったが、概念に関する研究報告などの発信については、次年度にずれている状況である。また、データベースのデータを用いた資料収集のほかに、現地に聞き取り調査の情報を用いた定性的な研究からブランド企業の下請けという立場にある台湾EMS企業の成長の違いを決める要因を明らかにする予定であったが、現地調査の実施を今年度に1回しか行えなかった。
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今後の研究の推進方策 |
令和6年度には、前年度に行えなかった現地調査を進めるために、まず既存研究を発展し、本研究の分析フレームワークを構築する予定である。それと同時に、前年度にデータベース利用を通じて、収集した台湾EMS企業2社の資料を整理する。次に、本研究対象の台湾EMS企業の2社に聞き取り調査を行い、情報収集を行う。具体的には、台湾調査を2回実施することとし、海外調査においても、本研究において中心となる台湾のおける企業・個人・機関の調査に集中し、資料収集も含めた台湾調査を拡大、実態の解明に注力する。 また今年度は本研究の理論研究と実態調査を踏まえた論文執筆の構想を作成し、研究活動を通じて得た知見を論文執筆と学会報告で公開し、研究を進めていく。
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