研究課題/領域番号 |
22K01640
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07080:経営学関連
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
山田 英夫 早稲田大学, 商学学術院(経営管理研究科), 教授 (20220395)
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研究分担者 |
大木 裕子 共立女子大学, ビジネス学部, 教授 (80350685)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | ビジネスモデル / ビジネスモデルの再構築 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、先行研究が多数行われてきたハイテク業界ではなく、成熟産業に焦点をあてて、そこにおけるビジネスモデルの再構築と優位性維持の方法を探究することに目的がある。成熟業界、特に日本では、バリューチェーンやシステムの持ち方が業界横並びとなっており、保有する経営資源がサンクコストになっている事もあり、ビジネスモデルの転換が難しい現実がある。 本研究では、ITC化や規制緩和によって可能となる事業構造のアンバンドリング(解体)及びリ・バンドリング(再統合)によって、ビジネスモデルの再構築及び競争優位の維持に必要な戦略を、企業・産業特性に応じて類型化し、その特徴を解明していく。
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研究実績の概要 |
市場が成熟し、顧客との情報の非対称性がなくなるにつれ、バリューチェーンやシステムのアンバンドリングが進み、外部から見えなかった部分も顧客に見えるようになり、その一部分だけが購入されるようになる。企業側としてもいつまでもクローズドにしておく事は限界もあり、顧客に積極的に単品買いさせてニーズに応えていくことも必要である。 こうした過程を解明するために、本年度の研究のフェーズ1では、日本の成熟産業において「既存企業のバリューチェーンやシステムを解体することによって、新しいビジネスモデルが生まれる」という仮説を検討するための分析枠組みを作ることを目的に研究を進めてきた。 先行研究の分析を通じて見えてきたことは、これまでのビジネスモデル研究はいずれも単一企業のビジネスモデルに着目したものばかりであり、そこで分析が止まっていたことである。現実にはある企業が新たなビジネスモデルを開発すると当該企業だけに留まらず、業界全体の構造が変化し、さらに新しいビジネスモデルを誘発するような事はよくあるが、先行研究では触れられてこなかった。 そこで本研究では、成熟産業である宿泊業界における予約のビジネスモデルを事例研究の対象とした。宿泊業界は、電話予約の時代が長かったが、そこから予約機能だけがアンバンドルされ、ネット予約が登場し、業界は様変わりした。ネット予約によって顧客の利便性は高まり、施設側の効率化も進んだ。しかしネット予約は、宿泊施設に対して、オーバーブッキングと販売機会損失という新たな課題を生んだ。そこに登場したのが、顧客と宿泊施設の間に入るサイトコントローラーという新しいビジネスモデルである。 本研究では、予約機能のアンバンドリングによって誘発されたサイトコントローラーの存立基盤、ビジネスモデルについて考察を行い、バリューチェーンのアンバンドリングが生む、さらに新たなビジネスモデルの可能性を探った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
障害となるような外部環境の阻害要因も解消される方向にあり、順調に研究を進めることができている。
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今後の研究の推進方策 |
研究のフェーズ2では、分析枠組みに基づき、成熟産業のビジネスモデルの再構築について類型化を行う。そのため、ビジネスモデルの再構築に成功し、持続的に競争優位を持つ企業の分析に加え、当該企業からの聞き取り調査を実施する。
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