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産業用ロボットエコシステムの多様性における各国SIerの機能分析

研究課題

研究課題/領域番号 22K01646
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分07080:経営学関連
研究機関神戸学院大学

研究代表者

林 隆一  神戸学院大学, 経済学部, 教授 (10712549)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
キーワードシステムインテグレーター / 産業用ロボット / エコシステム / SIer / ロボット / 企業 / 資本財
研究開始時の研究の概要

産業用ロボットエコシステムにおけるSIer(System Integrator)に注目し、業種別でロボット導入の国別差異の要因を定量面から解明する。工作機械産業ではモジュール化の進展で、日本の中堅企業のグローバル展開が可能となり、金属加工の多様性が維持されている(林(2021)『工作機械・ロボット産業のエコシステム』)。一方で、ロボット産業では日本のSIerの知識が囲い込まれ、多様な用途向けの採用が中国等に遅れつつある。日本の「ロボット導入実証事業」データを基に、主要国の展示会調査からSIerと用途別のデータベースを作成・比較し、各国のロボット採用の多様性度合いからSIerの機能を解明する。

研究実績の概要

・研究目的は、産業用ロボットエコシステムにおけるSIer(システムインテグレータ)の技術的知識の運搬態としての機能解明である。日本は、自動車・電機・機械産業における産業用ロボット導入は進んでいるものの、海外主要国と比較して、それ以外の産業への展開が遅れており、各国のSIerの構造・動向との関係を研究課題としている。
・研究1年目(2022年度)は、ロボット産業のエコシステムの現状把握のため、日本経済再生本部の「ロボット新戦略」に基づく「ロボット導入実証事業」(経済産業省)のロボット実証・FS事業295件(2016年度116件、2017年度120件、2018年度59件)のデータベースを作成した。「ロボット導入実証事業」では、採用企業とSIer企業の社名、企業規模、業種、採用ロボット(企業名・機種詳細)、導入目的に加え、投資額、実現された省人化人数・労働時間・生産量等の詳細内容が公開されており、各傾向を採用ロボット企業の視点から分析し、論文等を作成した。
・研究2年目(2023年度)は、文献収集による調査と並行して、国内SIer企業へのインタビューなどの調査を進めている。インタビューでは、特定業種などで実績を積み上げてきた国内企業をピックアップし、7社(ダイドー、高丸工業、HCI、東海理機工業、グローリー、FUJI、Mujin)の事例研究を論文にまとめた。
・今後は、さらなる事例研究と分類分析を進めた上で、世界最大のロボット市場である中国や日系企業が多く進出する東南アジアなどにおけるロボット導入業種と各国SIerの動向の調査を進め、論文等の作成を通して、日本に対するインプリケーションを探っていく。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

・2年目(2023年度)は、国内の有力SIer関連企業への調査・取材を進め、論文等にまとめることができた。具体的なSIer関連の企業事例として、林(2023)で、SIerのダイドー、高丸工業、HCIを、林(2024)で、SIerの東海理機工業とグローリーに加え、Sierサポート企業でもあるFUJIやMujinを取り上げ、ミクロ的な分析を行った。
・中国などへの海外調査は行っていないが、(研究計画時には想定していなかった)中国の現地調査による「中国産業用ロボット市場調査総覧」を交渉の上、購入することができた。中国の産業用ロボット市場の動向に加え、産業用ロボットSIer企業480社のうち代表的な200社の企業調査(東北9社、華北21社、華東93社、華南54社、西南11社)個票(企業情報、ロボット関連事業売上高、台数、主な応用分野、用途など)を入手することができた。3年目以降の調査・分析を行うサンプル抽出をする上でも、効率的な準備ができたと考えている。
・日本のロボットSIerの個別取材・分析が進んだことと、中国の主要SIerの全体像把握の準備ができたことから、3年目以降の研究を進める上で「おおむね順調に進展している」と判断した。

今後の研究の推進方策

・国内の有力SIer関連企業への調査・取材をさらに進め、事例分析の分類分析などを進める。
・世界最大のロボット市場である中国に加え、日本企業の主な進出先でもある東南アジアのそれぞれの主要なSIerの動向の調査・分析を進め、日本市場との比較を行う予定である。
・日本は、自動車・電機・機械産業におけるロボット展開は進んでいるものの、海外主要国と比較して、それ以外の産業への展開が遅れている。国内のSIerのパターン分析などを踏まえて、日本が遅れている用途別のロボット採用の進捗との関連性を明らかにしていく必要があると考えられる。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (5件)

すべて 2024 2023 2022

すべて 雑誌論文 (4件) (うちオープンアクセス 4件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] ロボット導入におけるサポート企業の事例分析 -東洋理機工業、グローリー、FUJI、Mujinの事例-2024

    • 著者名/発表者名
      林隆一
    • 雑誌名

      神戸学院経済学論集

      巻: 55/4 ページ: 33-62

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] ロボット導入におけるシステムインテグレータの役割 -ダイドー、高丸工業、HCIの事例分析-2023

    • 著者名/発表者名
      林隆一
    • 雑誌名

      神戸学院経済学論集

      巻: 55/1・2 ページ: 1-29

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 日本のロボット導入の実態調査 -ロボット導入実証事業データベース分析-2023

    • 著者名/発表者名
      林隆一
    • 雑誌名

      神戸学院経済学論集

      巻: 54/ 4 ページ: 27-45

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] ロボット産業エコシステムの現状と考察 -日本のロボット採用状況の分析-2022

    • 著者名/発表者名
      林隆一
    • 雑誌名

      神戸学院経済学論集

      巻: 54/ 1・2 ページ: 1-33

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • オープンアクセス
  • [図書] 世界を創る日本企業のみかた―ビジネスミクロ分析のすすめ―2023

    • 著者名/発表者名
      林隆一
    • 総ページ数
      246
    • 出版者
      大学教育出版
    • ISBN
      9784866922522
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

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公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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