研究課題/領域番号 |
22K01650
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07080:経営学関連
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
江夏 幾多郎 神戸大学, 経済経営研究所, 准教授 (00508525)
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研究分担者 |
余合 淳 南山大学, 経営学部, 准教授 (50736808)
田中 秀樹 同志社大学, 政策学部, 准教授 (90567801)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2025年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 人事管理 / 研究と実務のギャップ / 体系的文献レビュー / 計量書誌学 / 研究と実務の乖離 / 人事労務管理 / レリバンス問題 / 産学連携 / 研究と実践のズレ / 日本 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では以下の問いの解明を行う。 1. 人事管理における研究と実践のギャップを,先行研究ではどう論じてきたのか。 2. 日本の人事管理における研究や実践のギャップは,どのような形で観察されるか。 3. 今日の日本の人事管理実践において,研究知はどの程度普及しており,その傾向に何らかの偏りは確認されるか。 4. 今日の日本の人事管理における研究者と実践家の関係性,研究知と実践知の関係について,研究者と実践家のそれぞれはどのように捉えているのか。
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研究実績の概要 |
前年度より継続して,申請者らが独自に作成した,1971年から2020年における,日本労務学会の研究データベースと,『労政時報』の記事データベースの記載内容をもとに,日本の人事管理に対する研究者と実務家それぞれの関心の推移や移動について,計量書誌学的な分析を行なった。分析を行うにあたっては,方法論的な厳密性に加え,分析結果の解釈を妥当なものとするための時代認識の妥当性を高めることに留意した。 研究成果として,労務学会の50年分の研究成果のうち経営学領域に属すると申請者らが判断する研究成果に関する,言説構造の推移を検討した論文を,『日本の人事労務研究』(中央経済社)に収めた。経営学領域における研究関心の推移は,他の学問領域と比べると小さかった。ただし,「人的資源」という人間像が定着する中,最適なインセンティブシステムについての探究が継続的に見られた。 また,計量書誌学的な分析,あるいは体系的文献レビューが人事管理領域でどのように行われてきたかについてのレビュー論文を執筆した。近年の先行研究レビューでは,「恣意性やバイアスの排除」という目標が追求され,標準化された手順が好まれる傾向にある。そうした傾向について批判的に検討した上で,むしろそれぞれの先行研究=エビデンスやそれをレビューする研究者自身が内包する恣意性やバイアス,それらの背景の動機や利害,および組織観を積極的に読み解いていくことが先行研究レビューの要になることを示した。 2024年度に有斐閣より刊行する予定の,本基金および別基金(19K01805)の最終成果としての書籍の原稿を,年度末に書き上げた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
複数の研究業績を産出し,書籍出版の目処も経ち,最終年度までに行う調査の概要も固まりつつある。
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今後の研究の推進方策 |
研究者の関心と実務家の関心の構造について,実際に彼らを対象としたサーベイによって改名する。人事管理という事象についてどのような関心を持っていることが,彼らのキャリア上の意識や成果にどう結びついているのかについてもあわせて検討し,望ましい産学関係について経験的に明らかにする。
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