研究課題/領域番号 |
22K01657
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07080:経営学関連
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研究機関 | 桜美林大学 |
研究代表者 |
董 光哲 桜美林大学, ビジネスマネジメント学群, 准教授 (50440178)
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研究分担者 |
境 睦 桜美林大学, 大学院 国際学術研究科, 教授 (00265563)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 筆頭株主 / インセンティブ報酬 / 社内取締役 / 監査役 / 高級管理者 / 持株比率 / 支配パターン / 直接関係 / インセンティブ / 経営者 / 企業統治 |
研究開始時の研究の概要 |
急速な成長を遂げている中国の上場企業では、経営者にどのようなインセンティブを与えているのか、その背景には何が考えられるのか、そして日米欧などの資本主義国との根本的な違いは何か、を中国の上場企業の「年次報告書」(日本の有価証券報告書に相当)の分析、訪問調査などの研究手法を用いて明らかにする。
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研究実績の概要 |
2022年度では、中国の上場企業333社の「年次報告書」から社内取締役、監査役、高級管理者と大株主との関連性に重点を置いて、研究を進めた。特に、筆頭株主の持株比率に基づいて、筆頭株主による支配パターンを五つの支配パターンに分けて、それぞれの大株主の影響力を分析を行った。本研究では、直接関係という概念を導入し分析を進めた。直接関係とは、上場企業で社内取締役、監査役、高級管理者という職務に着きながら、当該企業の大株主でも職務を持っていることを意味する。 その分析結果は、次のように纏めることができる。 ①直接関係の割合から見た場合、社内取締役・高級管理者・監査役と大株主との直接関係の関連性は3割~4割の割合を占めている(筆頭株主の持株比率20%未満の場合には3割弱)。そのうち、筆頭株主との直接関係が最も顕著である。筆頭株主との直接関係をさらに具体的に見ると、筆頭株主の持株比率50%以上の支配パターンでは3割以上、筆頭株主の持株比率50%未満~20%以上の支配パターンでは2割以上、筆頭株主の持株比率20%未満の支配パターンでは2割未満である。他方、筆頭株主の持株比率の低下と伴い筆頭株主との直接関係の割合は低下する一方、筆頭株主以外の大株主との直接関係の割合が少しずつ上昇している。 ②筆頭株主の持株比率80%未満~3分の2以上の上場企業の支配パターンにおいては、筆頭株主と第2株主のみ直接関係が見られるものの、その他の支配パターンでは、筆頭株主から第10株主まで幅広い大株主との直接関係が見られる。但し、筆頭株主から第3株主の割合が大多数を占めており、筆頭株主から第3株主までの直接関係の割合は、筆頭株主の持株比率と関連して逓減している。他方、第4株主から第10株主までの直接関係の割合は、必ずしも筆頭株主の持株比率と関連しているとは言えないのである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2022年度には、研究の重点をデータ収集・整理に置いた。ランダム方式で中国の上場企業333社の「年度報告書」(2019年度)を収集し、333社の社内取締役、監査役、高級管理者と大株主の関連性のデータを整理・分析を行った。 初歩的な分析結果をまとめており、収集整理したデータを2023年度と2024年度の研究に活かしたい。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究の推進方策は次の通りである。 ①既に収集整理したデータから、筆頭株主が国有株である場合と同族企業の場合に分けて、それぞれの支配パターンにおける社内取締役・監査役・高級管理者と大株主との関連性について分析を行う。 ②既に収集整理したデータから、社内取締役・監査役・高級管理者の報酬の支払元が当該企業であるか、大株主であるかを考察・分析する。 ③既に収集整理したデータから、社内取締役・監査役・高級管理者の報酬状況を明らかにする。 ④事例分析を行うために、企業訪問とインタビューを行う。企業訪問とインタビューが難しい場合には、文献調査を主としながら事例分析を試みる。
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