研究課題/領域番号 |
22K01675
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07080:経営学関連
|
研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
板谷 和彦 香川大学, 地域マネジメント研究科, 教授 (70727023)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2025年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
|
キーワード | オープンイノベーション / 中小企業 / 新規事業 / ゲートキーパー / フロントランナー / 産学連携 / 地域 / セミ・オープンイノベーション |
研究開始時の研究の概要 |
地域の中小企業による新規事業創出を創発的に促進するため,地域を仮想的に企業にたとえ、域内での自由度の高い試行錯誤を可能にするセミ・オープンイノベーションモデルをベースに,外部知識・情報の獲得やトランスファーを効果的に促進する,ゲートキーパーという役目を導入し,担うべき役割や有すべき能力を調査分析により明らかにする。地域の中小企業は、資源が十分ではなく、市場の情報や社外の様々な知識の獲得の側面からも有利とは言えない。地域の中小企業の新規事業を創発的に促進するマネジメント方法としての構築をはかる。本研究により,地域の産業活性化のための研究や施策に有益な示唆を与えることが期待される。
|
研究実績の概要 |
テクノロジー・ゲートキーパーを軸とした新規事業の創発的な促進のためにマネジメントモデルの構築を計画しているが,その骨子となるフレームを設定するために, 理論的側面からゲートキーパーの役割や対象とするコア人材の特性を明らかにすることを試みた。 具体的には地域も含めた経済活動全体を対象として,経済成長のエンジンとなるイノベーションにおける最前線で取り組む人材をフロントランナーと定義し,その活動とはどのようなものなのかを経済学,経営学,認知科学などを横断して学際的に掘り下げた。まず試論として「現行のパラダイム」「出現する新様式」に加えて「フロントライン」というステージを導入し,社会の経済活動を分類して考察するフレームを示すことにした。このフレームにおいて「フロントライン」で活動するのが「フロントランナー」である。日々,一市民として変化の少ない仕事に従事しつつも,日常とは異なる何らかの意識を持って「フロントライン」で対峙しようとする人が「フロントランナー」になり得るとした。イノベーションへのインセンティブは,個人への金銭的な報酬や研究開発による利益極大化志向だけではない。「フロントランナー」の試行錯誤は,知的好奇心や挑戦心といった心理的なインセンティブや創造的異端型意思決定に強く支えられているという仮説も抽出した。経済成長を絶え間なく継続するには,これら3つのステージをバランス良く育み,ステージ間の効果的なトランスファーを促していくことが重要であるとの指摘も行った。さらに,社会や組織の辺境である「フロントライン」において画期的な様式を導く原石を掘り出す「フロントランナー」の存在を認め、試行錯誤の活動を許容する社会基盤の余裕や懐の深い文化の醸成がゲートキーパーの役目であるとの含意にまとめ上げた。 以上を関連する学会の年次大会にて発表をするとともに論文を執筆し,掲載に至っている。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
これまで、ゲートキーパーに必要とされるニーズ的側面を明らかにしており、今回、テクノロジー・ゲートキーパーを軸とした新規事業の創発的な促進のためにマネジメントモデルの骨子となるフレームを設定するための理論的側面からゲートキーパーの役割や対象とするコア人材の特性を明らかにすることができたため、計画通りと考えている。
|
今後の研究の推進方策 |
これまで明らかにしてきた、ゲートキーパーに必要とされるニーズ的側面と、マネジメントモデルの骨子となるフレームを設定するための理論的側面に基づき、今後は、テクノロジー・ゲートキーパーを軸とした新規事業の創発的な促進のためにマネジメントモデルの構築を推進する。
|