研究課題/領域番号 |
22K01689
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07080:経営学関連
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研究機関 | 愛知工業大学 |
研究代表者 |
柊 紫乃 愛知工業大学, 経営学部, 教授 (10609952)
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研究分担者 |
上總 康行 福井県立大学, 地域経済研究所, 研究員 (20121494)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 現場改善会計論 / 現場改善 / トヨタ生産システム / 余剰生産能力 / 機会損失 / アクション・リサーチ / 設計情報転写論 / 改善効果測定 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、藤本隆宏教授の「設計情報転写論」および、柊紫乃・上總康行の「現場改善会 計論(Gemba Kaizen Costing, 以下GKC)」を理論的基盤としながら、従前より日本の製造業における強みとされてきた改善実践やトヨタ生産システム(Toyota Production System, 以下TPS)について、会計的視点から理論化することを目的とする。 また、理論化と同時に、様々な業種業態に適合可能な実務導入の方法論を創出する。現場改善会計論のこれまでの基礎理論研究に基づいた、「学際的・実践的・応用研究」である。
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研究実績の概要 |
初年度の研究目的である「GKC適用による企業における実現・未実現の改善効果を金額計算実現」について、予定通り、実際に改善中の企業におけるアクション・リサーチを継続的に実施した。その結果、個社事例ではあるが、かなりの精度で、実現・未実現の改善効果測定が可能となる基本の原価管理帳票が完成した。現在は、さらに、経営的観点からこれらの数値を活用可能にする経営資料および経営指標の検討に進みつつある。 また、これらの事例および、その基礎となった現場改善会計論の基礎理論について、国内外で報告を行った。当初予定されていた、① The 6th World Conference on Production and Operations Management(P&OM Nara 2022):GKCについての学術発表 ②類似研究の多いLean Accounting Summitにおける成果発表に加えて、③ 日本管理会計学会の統一論題登壇者として依頼があり、報告およびパネルディスカッションに登壇した。 これらの成果について、①については、牧誠財団の英文ディスカッションペーパーとして、③については、日本管理会計学会誌「管理会計学」の論壇原稿として公表された。 なお、現場改善会計論の基礎理論である査読論文、柊・上總「現場改善効果の類型化:会計的視点からの考察」管理会計学30(1)が、2022年度 日本管理会計学会において、学会賞(論文賞)を受賞した。本論文は、基盤研究(C)17K04038の研究成果であるが、その基礎理論をもとに現在の基盤研究(C)22K01689があり、その初年度に学会賞を受賞したため、本報告内で報告するものである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
主たる協力先企業である、住宅関連企業1社とは、従前より強い協力関係にあるが、本研究におけるアクション・リサーチにより、同社の経営改善にも寄与しつつある。同時に、同社がおかれた経営環境などから生じる課題や、その他の組織課題なども具体的に明らかになってきており、これらの気づきが、今後の研究に資するものと考えられる。 2年目である2023年度も月1回以上のアクション・リサーチ実施を予定しており、順調に実践的研究が続いている。
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今後の研究の推進方策 |
予定通りアクション・リサーチを継続するとともに、その内容を深化・充実させる。同時に、主たる協力先企業以外にも、現場改善会計論に興味をもち、社内活用を含めて検討を希望される企業がでてきているので、それらの可能性を模索していく。 また、海外の研究者(デンマーク、アメリカ)が、本研究の基礎理論に非常に興味を示しており、国際的共同研究につながる可能性がでてきている。こちらについては、基礎的議論を始めたところであり、2023年度以降、さらに発展させていく。 これらを含めて、今後も積極的に成果を国内外に報告していく。また、研究発表や論文投稿だけでなく、これまでの研究成果をまとめた書籍を、2022年度から準備しており、2023年度中には公刊できる見込みである。
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