研究課題/領域番号 |
22K01704
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07080:経営学関連
|
研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
鈴木 秀男 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 教授 (10282328)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
|
キーワード | CSR / 品質次元 / 顧客満足度 / 顧客行動 / SDGs / 社会的責任 / 品質 / 品質管理 / 顧客満足 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、品質管理の枠組みに、CSRやSDGsの活動要素を考慮することで、製品開発、人材育成、生産技術、革新的な製品・サービスの創出に対して、CSRやSDGsへの取り組みがどのように影響を与えるかについて検証する。また、CSRやSDGs活動を行っている企業が提供する製品・サービスに関する顧客評価について、知覚品質と顧客満足度の評価モデルの観点から検証する。そのために、CSR、SDGsおよび品質管理に関する取り組み状況の項目、品質概念を整理体系化した上で、Web調査を実施する。得られたデータから、共分散構造分析やベイジアンネットワークに代表される手法により、要素間の関係性を検証する。
|
研究実績の概要 |
国内外を問わず品質を顧客の要求を満たすことと定義すれば、価値創造のための経営は、品質を中心とした経営と同義となる。また、製品・サービスの品質の評価が消費者に顧客満足を与え、再購入意向や推奨意向へと関係してくるため、製品・サービスの品質の構造を探索し、定量評価することは有効である。一方で、近年、様々な顧客が企業の倫理や持続可能な開発に対してより強い関心を持ち始めたことで、CSR(Corporate Social Responsibility)はブランドイメージを高める方法として注目されている。本研究では、知覚品質、顧客満足、顧客ロイヤルティを関連付けるモデルにCSRによる影響を加味した仮説モデルを設定し、日仏の自動車産業に適用することで影響を検討した。2022年6月に調査会社に委託して日本とフランスに在住の生活者を対象にオンラインアンケート調査を実施した。属性項目は、性別、年齢、職業等から構成されている。測定尺度の項目は、1(全くそう思わない)から7(非常にそう思う)までの7段階のリッカート尺度で記述した。日本が199件、フランスが221件の合計420件を分析に用いた。仮説検証の結果、日仏ともに知覚品質は知覚価値に強い影響を与えることがわかった。これは、消費者が自動車の性能やメンテナンス性に加え、所有するために必要な費用が見合っていると感じているためであると考えられる。また、CSRも知覚価値に対して影響を与えるが、日仏ともに知覚品質と比較すると影響度は小さい。これは、CSRが消費者が知覚する価値まで浸透していないと考えられる。また、別の事例としてインナーを対象にして、8つの品質次元、社会的品質、CSRの取り組みに対する認識がが顧客満足度顧客ロイヤルティに与える影響についても検討している。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2022年度までに、知覚品質、顧客満足、顧客ロイヤルティを関連付けるモデルにCSRによる影響を加味した仮説モデルを設定し、日仏の自動車産業に適用することで影響を検討している。実際に、2022年6月に日本とフランスに在住の生活者を対象にしたオンラインアンケート調査を実施し、日仏ともに知覚品質は知覚価値に強い影響を与え、CSRも知覚価値に対して影響を与えるが、日仏ともに知覚品質と比較すると影響度は小さいことを明らかにしている。また、してインナーを対象にして、8つの品質次元、社会的品質、CSRの取り組みに対する認識がが顧客満足度顧客ロイヤルティに与える影響についても検討している。2023年度以降は、8つの品質次元、社会的品質、CSRの取り組みに関する関係性の検証、他の事例での検証を推進する。
|
今後の研究の推進方策 |
今後は、考慮する品質次元について増やすこと、CSRに関する構造についても継続して検討する。さらに、品質次元、CSR、顧客行動の関係性とその構造についても検討していく。自動車だけでなく、インナー、サービス等、別の事例についても調査を実施して、仮説に基づき関係性を検証する。研究成果発表も積極的に行う。
|