研究課題/領域番号 |
22K01712
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07080:経営学関連
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研究機関 | 愛知工業大学 |
研究代表者 |
吉成 亮 愛知工業大学, 経営学部, 教授 (00509135)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 市場の汚名 / スティグマ研究 / PHVワクチン / 汚名の深さ / 汚名からの回復 / SNS / 評判 / 自然言語処理 / 汚名 / 市場の汚名化 / ネットワークの特徴量 / HPVワクチン市場 / 汚名の回復 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では第1に、市場の汚名化において汚名の深さが範囲や期間に及ぼす影響を測定する。第2に、汚名のネットワークの特徴量を測定する。第3に、汚名化された複数市場を比較し、汚名の深さに応じて汚名の範囲、期間、ネットワークの特徴量が変化することを検証することが目的である。 本研究の対象はHPVワクチン市場とする。HPVワクチン市場には、他のワクチン市場と比較すると、汚名の範囲、期間、ネットワークの特徴量に差があることを検証する。本研究の目的を達成すれば、市場が汚名化する中で、企業は汚名の深さに応じた汚名の範囲、期間、ネットワークが予測可能になり、汚名回復の適切な対応が可能になる。
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研究実績の概要 |
当初の研究目的および研究実施計画にしたがい、市場における汚名の深さに関して研究を推進している。市場における汚名とは、顧客などのステークホルダーからの製品への評価であり、その中でもネガティブな評価を指している。 本研究は、製品に対する汚名がいかなるメカニズムによって生じているのかを解明することが目的である。特にその中でも、長期にわたり根強く、消えさらない汚名を、深い汚名と定義し、深い汚名が浅い汚名と比較して、どのように生じるのか、そしてその深い汚名がいかに回復するかを解明することが、主たる研究の目的となっている。 具体的な対象としては、国内のPHVワクチン市場の分析である。PHVワクチンは日本政府の積極接種の方針から、その後の接種の副反応に基づくマスメディアによる批判を受け、政府は積極接種の方針を撤回したという経緯がある。その批判はマスメディアだけでなく、SNS上においてもPHVワクチンに対するネガティブな評価を受けている。つまり、PHVワクチンという製品は汚名という評価を受けている。 本研究の経費の大部分は、SNSの中でも旧ツイッター、原稿Xの過去数年のPHVワクチンにまつわる全データの取得であった。PHVワクチンは、政府の積極接種の方針から、その撤回、さらに接触接種の再開というように、政府の対応が変化しており、その期間が約10年間と長期間にわたっている。そのため、予算の関係で、10数年にわたるすべてのデータを入手することはできなかったが、積極接種からその撤回と、撤回から積極接種へという転換期においてデータを入手し、分析してきた。なおその分析結果の一部はすでに国際学会において発表をしている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の研究実施計画通りに、市場における汚名の深さに関して研究を進めている。研究の最初において、データの取得が当初の計画よりもデータ取得の費用が多くかかったこともあり、一部の期間のデータのみ取得することになった。したがって、当初の研究実施計画の一部を修正することになったものの、得られたデータを分析することによって当初の目的を達成しつつある。 具体的な成果としては、国内のPHVワクチンに関するSNS上の内容を分析することによって、旧ツイッターにはリツート機能があり、そのリツート機能が多用される、つまり、同じ言葉、具体的な否定的な内容の文面が繰り返し言及されることが判明した。つまりさまざまな言葉で汚名が広がるというよりも、同じ言葉が繰り返し引用されていくことによって、汚名が拡散し、その深さが深くなることが判明している。 これまでの分析の結果は、インドの国際学会において発表を行っている。
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今後の研究の推進方策 |
これまでの分析の結果は、昨年度の3月に国際学会(インド、インドール)において発表を行った。現在は、その結果をもとに、さらなる追加の分析を行っている。まず、第1の今後の研究推進方策として、これらの成果を取りまとめ、国内の査読雑誌に論文を作成し、投稿することである。 またすでに行っている研究成果によって、汚名の深さはいかに深くなるのかが判明しつつあるものの、汚名の深さは汚名の浅いものとの比較によって、測定することが可能になる。今回の研究対象は国内のPHVワクチン市場であったものの、他のワクチン市場と比較し、その深さの測定に関しても一定の成果を得つつある。そのため、第2の今後の研究推進方策として、この成果はさらに分析を行うことによって、新たな論文として取りたまとめていきたいと考えている。 さらに今回の研究を通じて、来年度以降、今後の研究の方向性が見えつつある。今年度が当研究の最終年度に当たるため、今後の研究はあらためて新たな研究として研究計画を立てることになる。
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