研究課題/領域番号 |
22K01716
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07080:経営学関連
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研究機関 | 大阪経済大学 |
研究代表者 |
江島 由裕 大阪経済大学, 経営学部, 教授 (00382359)
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研究分担者 |
藤野 義和 信州大学, 学術研究院社会科学系, 准教授 (10781403)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | アントレプレナーシップ |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、3ステップで発達障害と起業行動の関係性について調査研究を進める。第一ステップは、日々アップデートされる国内外の先行研究の検討とIn-depthインタビューのデザイン構築、第二ステップは、各種調査の実施と解釈、第三ステップは、本研究の開始時点で設定した仮説の修正/精緻化と新たな命題(=仮説)の構築である。こうした調査研究を通じて、学会で注目されている発達障害と起業家行動のメカニズムの解明を一歩前進させていく。
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研究実績の概要 |
本研究は、3ステップで発達障害と起業行動の関係性について調査研究を進める予定で、本年度は、その最初の段階として、主として、日々アップデートされる国内外の先行研究の検討と本格的な定性In-depthインタビュー調査に向けてのリサーチデザイン等の構築を意図した(プレ定性調査の実施)。 こうした研究の狙いに基づき、本年度は、主に次のような研究活動を実施した。①国内外の先行研究のレビューを整理しつつ、特に、最新の発達障害とアントレプレナーシップにかかわる文献を、研究領域/分野を横断する形で国内外から収集し整理した。②In-depth定性調査対象リストの検討ならびに本格的定性調査に向けたプレ調査(ADHD起業家、ADHD傾向潜在的起業家、発達障害を雇用する経営トップならびに経営コンサルタントなど4件へのインタビュー調査)を実施した。③共同研究者との研究会の開催を通じた論点整理、アントレプレナーシップ研究者や本研究テーマと親和性のある研究分野を調査研究している研究者との定期的な対話・会合を実施した。 なお、本年度もコロナ禍であったため、諸事情を考慮して、海外への学会参加は控え、可能な限りオンラインでの海外の学会、ワークショップ、研究会に参加するように努めた。但し、国内の学会や研究会等への参加については、対面の場合は、直接出向き、研究発表者や参加者との深い学術的対話や議論の場につなげた。こうした研究者との対話や研究報告から得た/学んだ知識、研究フレームワーク、調査結果、インサイトを前述した先行研究やプレ定性調査の結果と整合させ、すり合わせ、解釈を加えながら、本研究課題の問いにアプローチした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度は、予定していた研究計画の主たる部分については、活動を実施できたものの、依然としてコロナ禍の影響を防ぐことは難しく、調査研究活動を遂行する上で多少影響を受けた。こうした理由から、総合的にみて本年度に予定していた研究活動は、やや遅れていると判断した。以下、その点について、具体的に記述する。 第一に、In-depth定性調査対象リストの検討ならびに本格的定性調査に向けたプレ調査において、当初、夏の時期に想定していた複数のインタビュー調査を、コロナ禍に伴う諸事情を踏まえ、実施を控えたため、量ならびに質の面で、やや不十分な活動となった。なお、その後、秋から冬にかけて、4件(ADHD起業家、ADHD傾向潜在的起業家、発達障害を雇用する経営トップならびに経営コンサルタント)の調査は実施できたので、次年度への課題は残ったものの、本年度の中心的な問いへは接近できた。 第二に、コロナ禍の影響と、それに関わる諸事情を考慮して、海外への学会参加を控えたことで、本研究テーマにかかわる最先端の研究報告や対談やシンポジウムを直接、その場で聞き、議論することができず、また、自身の(本研究課題や仮説に関わる)疑問や見解を直接、新進気鋭の当該研究領域の研究者にぶつけることができなかった。この点については、初年度の調査研究活動で予定してもので、本年度実施できなかったことから、やや研究の進捗に影響が出たかもしれない。今後の調査研究を進める上で、必要と考えられるため、次年度以降、引き続き、海外の知見を直接、組み入れる工夫を検討していきたい。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究の推進については、初年度に実施した諸研究活動を引き続き継続実施しながら、コロナ禍の影響で十分に実施できなかった点について適宜、補完し、予定していた計画を遂行していく予定である。具体的には、以下の通りである。 ①最新の発達障害とアントレプレナーシップにかかわる文献を国内外にわたり収集し、関連の文献・資料リストを作成する。特に、先行する欧米の主要なジャーナルをフォローする。②研究課題に関わる、欧米諸国の研究の最新動向を把握するために、国際学会や研究会など参加し、専門家(研究者)との研究打ち合わせ等を行う計画である。③In-depth定性調査(プレ調査)の実施(初年度の調査結果を補完する形で、調査の量と質を充実)、その後の本格的定性調査への意向(リサーチデザインの構築と調査対象サンプリングの実施)と調査の実施、仮説の精緻化/再構築の検討を進める。最終的には、分析結果に、研究分担者とともに解釈を加えて、本研究の開始時点で設定した仮説に修正を加えながら新たな命題(=仮説)の構築に向けた検討を加える。
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