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マーケティング・アジリティを補完するマーケティング活動のダイナミズムの探索的研究

研究課題

研究課題/領域番号 22K01745
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分07090:商学関連
研究機関神戸大学

研究代表者

吉田 満梨  神戸大学, 経営学研究科, 准教授 (30552278)

研究分担者 栗木 契  神戸大学, 経営学研究科, 教授 (90294397)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
キーワードマーケティング・アジリティ / センスメーキング / マーケティング意思決定 / エフェクチュエーション
研究開始時の研究の概要

市場の不確実性の高まりにより、変化を事前に予測して精緻な計画を立てることの限界が認識されるようになっている。一方でデジタル技術の発展は、市場の予期せぬ反応や進展を感知して活動の迅速な軌道修正を容易にし、そのもとで予測に頼らずに不確実性に対処するアプローチが重視されるようになった。本研究は、マーケティング・アジリティと呼ばれる、こうした市場の予期せぬ反応や進展を迅速に感知して事後の意思決定を繰り返すアプローチに焦点を当てる。とりわけ特定領域へのマーケティング・アジリティの導入が、他の諸活動といかに相互作用し市場成果を生み出すのか、複数の企業事例の分析を踏まえてそのダイナミズムを検討する。

研究実績の概要

本研究の目的は、企業の特定の活動領域へのマーケティング・アジリティの導入が、他のマーケティング活動の諸要素との相互作用を通じて、どのように市場成果を生み出すかについて、複数の企業事例の分析を踏まえて、そのダイナミズムを検討することである。
三年間の研究期間を通じて、a)マーケティング論にとどまらないアジリティ及び関連概念についての理論的検討、b)マーケティング・アジリティを補完するマーケティング要素間の関係を捉える分析視角の明確化、c)マーケティング・アジリティを導入した企業の比較事例研究を研究期間内に達成する三つの活動と位置づけて取り組む予定である。
2年目の2023年度は、初年度から実施しているマーケティング論にとどまらないアジリティ及び関連概念についての理論的検討(a)を踏まえた上で、マーケティング・アジリティを導入した企業の事例研究に着手した(b, c)。新たな市場価値を創造した大企業やスタートアップにおける実践を含めて、複数の事例について検討を行い、その成果についても発表をし始めており、論文発表や口頭発表を行った。とりわけ、マーケティング学会のマーケティングジャーナルでの複数の論文掲載や、事例研究の成果に関するウェブメディアへの寄稿、ビジネス書の刊行など、学術的な研究成果と実践者との対話の双方を意識した実績を蓄積することで、研究成果を産業界にフィードバックするだけではなく、新たな事例研究やフィールドワークの実施に繋げることができている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の計画通り、理論的検討から経験的研究への移行が出来ており、順調な成果を生み出しつつある。

今後の研究の推進方策

最終年度は、c)の事例研究を継続するとともに、a)とb)を踏まえて複数の事例の比較検討を行い、より理論的な成果を生み出すことを目指していく。マーケティング・アジリティを促進する組織プロセスについては、いくつかの事例研究を通じた検討に着手しているが、本研究の中心的問いである「ひとつの活動領域で高めたマーケティング・アジリティを市場成果に結びつけるためには、他のマーケティング・ミックスの諸活動にどのような変化が必要か」をめぐって、マーケティング・アジリティがどのようなマーケティング活動の諸要素のダイナミズムから市場成果を生み出すに至るかの考察を重ねる。本研究全体を通しての研究成果は、引き続き国内外の諸学会で発表し、学術論文としてまとめ学会誌に投稿する。また研究成果のビジネス雑誌への寄稿や調査協力者を含む実務者への報告等を通じて産業界へのフィードバックも行い、本研究の実務上の貢献を議論する対話機会を設ける。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (32件)

すべて 2024 2023 2022

すべて 雑誌論文 (25件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 大企業の新規事業開発におけるエフェクチュエーションの活用2024

    • 著者名/発表者名
      柳 淳也, 吉田 満梨, 並木 州太朗, 竹林 一, 今庄 啓二
    • 雑誌名

      マーケティングジャーナル

      巻: 43 号: 4 ページ: 18-30

    • DOI

      10.7222/marketing.2024.014

    • ISSN
      0389-7265, 2188-1669
    • 年月日
      2024-03-29
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 起業家を支援しつづけること2024

    • 著者名/発表者名
      吉田満梨, & 伊藤智明
    • 雑誌名

      国民経済雑誌

      巻: 228(1) ページ: 89-106

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 失敗に学ぶマーケティング2024

    • 著者名/発表者名
      栗木契
    • 雑誌名

      ひょうご経済

      巻: 159 ページ: 12-13

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [雑誌論文] パートナーとの協働を通じた起業家の目的形成2023

    • 著者名/発表者名
      Yoshida Mari、Ninomiya Mari、Mitsui Yuichi、Ota Yasuhiro
    • 雑誌名

      マーケティングジャーナル

      巻: 43 号: 2 ページ: 30-41

    • DOI

      10.7222/marketing.2023.048

    • ISSN
      0389-7265, 2188-1669
    • 年月日
      2023-09-29
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] トヨタのKINTOが生み出す人とクルマの新しい関係2023

    • 著者名/発表者名
      栗木 契, 佐々木 一郎, 吉田 満梨
    • 雑誌名

      マーケティングジャーナル

      巻: 43 号: 2 ページ: 111-119

    • DOI

      10.7222/marketing.2023.055

    • ISSN
      0389-7265, 2188-1669
    • 年月日
      2023-09-29
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] エフェクチュエーションによる新市場創造-非予測的コントロールの論理.2023

    • 著者名/発表者名
      吉田満梨
    • 雑誌名

      一橋ビジネスレビュー

      巻: 70(1) ページ: 86-99

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [雑誌論文] ピンチはチャンスになる…年2万人の来園がゼロになった山形の観光農園が「過去最高売上」を記録するまで 6.最初と最後2023

    • 著者名/発表者名
      栗木契
    • 雑誌名

      プレジデントオンライン

      巻: -

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [雑誌論文] なぜ東京・丸の内のオフィスビルは日本で一番高いのか…三菱地所が新規事業にやけに熱心な本当の理由2023

    • 著者名/発表者名
      栗木契
    • 雑誌名

      プレジデントオンライン

      巻: -

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 最新型なのになぜか旧型よりも安くなる…「トヨタのサブスク」KINTOで始まったプリウスの驚きの仕掛け 無2023

    • 著者名/発表者名
      栗木契
    • 雑誌名

      プレジデントオンライン

      巻: -

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [雑誌論文] リクルートの「スタサプ」に学ぶ、予測が通用しない市場でのマーケティング展開法2023

    • 著者名/発表者名
      栗木契
    • 雑誌名

      まぐまぐニュース

      巻: -

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 広島発祥の「お好みソース」はなぜ全国制覇できたのか…後発のオタフクソースが採用した「驚きの経営手 法」2023

    • 著者名/発表者名
      栗木契
    • 雑誌名

      プレジデントオンライン

      巻: -

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 「ネスカフェ アンバサダー」「マスキングテープ」が好例。“日本発のイノベーション”から学べること2023

    • 著者名/発表者名
      栗木契
    • 雑誌名

      まぐまぐニュース

      巻: -

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [雑誌論文] リクルートのスタディサプリが面白い2023

    • 著者名/発表者名
      栗木契
    • 雑誌名

      ひょうご

      巻: 160 ページ: 12-13

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 「やまがたさくらんぼファーム」の経営を紐解く2023

    • 著者名/発表者名
      栗木契
    • 雑誌名

      果実日本

      巻: 78(11) ページ: 22-24

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [雑誌論文] アイデアに詰まったら"超少数派"に聞け…商品開発の最終兵器「エクストリーマー・リサーチ」とは何か 無2023

    • 著者名/発表者名
      栗木契
    • 雑誌名

      プレジデントオンライン

      巻: -

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [雑誌論文] イノベーションに挑むためのマーケティング・リサーチ2023

    • 著者名/発表者名
      栗木契
    • 雑誌名

      ひょうご経済

      巻: 161 ページ: 12-13

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [雑誌論文] アフリカでは「エアコンのサブスク」が正解だった…ダイキンがたどり着いた「高価な日本製品」の正しい売 り方2023

    • 著者名/発表者名
      栗木契
    • 雑誌名

      プレジデントオンライン

      巻: -

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 市場機会が創造される 3 つのパターンと 2 つの論理2022

    • 著者名/発表者名
      吉田満梨
    • 雑誌名

      一橋ビジネスレビュー

      巻: 70(1) ページ: 86-95

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 新しい製品・サービスの開発を通じた市場機会の創造2022

    • 著者名/発表者名
      吉田満梨
    • 雑誌名

      一橋ビジネスレビュー

      巻: 70(2) ページ: 94-103

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 起業家による機会の認識を通じた市場機会の創造2022

    • 著者名/発表者名
      吉田満梨
    • 雑誌名

      一橋ビジネスレビュー

      巻: 70(3) ページ: 86-95

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 対象に価値を見いだす人々の創出による市場機会の創造2022

    • 著者名/発表者名
      吉田満梨
    • 雑誌名

      一橋ビジネスレビュー

      巻: 70(4) ページ: 130-140

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [雑誌論文] インターナルブランディングをテコとした不祥事からのビジネスモデルの転換-アクサス株式会社-2022

    • 著者名/発表者名
      栗木契・本庄 加代子
    • 雑誌名

      マーケティングジャーナル

      巻: 42(2) ページ: 63-72

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [雑誌論文] イノベーションを活性化するマーケティング・リサーチ2022

    • 著者名/発表者名
      栗木契
    • 雑誌名

      国民経済雑誌

      巻: 226(6) ページ: 49-65

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [雑誌論文] デジタル時代に求められる実験発想のマーケティング2022

    • 著者名/発表者名
      栗木契
    • 雑誌名

      季刊ひょうご経済

      巻: 155 ページ: 12-13

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 目標の柔軟な見直しから生まれたアスクルの飛躍2022

    • 著者名/発表者名
      栗木契
    • 雑誌名

      季刊ひょうご経済

      巻: 157 ページ: 12-13

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] Decisions made by an experienced marketer in new market creation process2023

    • 著者名/発表者名
      Mari Yoshida
    • 学会等名
      8th Effectuation Conference, in Gdansk, Poland
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] 価値創造活動はいかに支援可能か―企業家とパートナーの関係構築―2023

    • 著者名/発表者名
      吉田満梨
    • 学会等名
      日本商業学会関西部会11月例会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] H.Simon から S.Sasasvathy へ―人工物科学の経営学的展開―2023

    • 著者名/発表者名
      吉田満梨
    • 学会等名
      科学基礎論学会 秋の研究例会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] マーケティング研究における2つの制度論2022

    • 著者名/発表者名
      吉田満梨
    • 学会等名
      2023年度組織学会年次大会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] アドバンス・ケア・プランニングにおけるエフェクチュエーションの適応可能性2022

    • 著者名/発表者名
      角田ますみ・吉田満梨
    • 学会等名
      第 34 回 日本生命倫理学会 年次学会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 小売企業の国際化に伴う不確実性とエフェクチュエーション―FLO Optics Pte. Ltd.の事例から2022

    • 著者名/発表者名
      吉田満梨・渡辺紗理菜
    • 学会等名
      日本マーケティング学会 マーケティングカンファレンス2022年
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [図書] エフェクチュエーション 優れた起業家が実践する「5つの原則」2023

    • 著者名/発表者名
      吉田 満梨、中村 龍太
    • 総ページ数
      264
    • 出版者
      ダイヤモンド社
    • ISBN
      4478110743
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

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公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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