研究課題/領域番号 |
22K01755
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07090:商学関連
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研究機関 | 法政大学 |
研究代表者 |
横山 斉理 法政大学, 経営学部, 教授 (70461126)
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研究分担者 |
金 雲鎬 日本大学, 商学部, 教授 (10410383)
東 伸一 青山学院大学, 経営学部, 教授 (70368554)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2025年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | fsQCA / 小売ビジネスモデル / 小売業態 / 異業態間競争 |
研究開始時の研究の概要 |
ネットショッピングに代表される小売の新潮流が小売業態間の境界を曖昧にするため、小売競争はますます複雑になっている。このような環境のもとで、顧客の行動を理解・支援するための新たな価値提案とフレームワークが求められている。その領域の一つが小売ビジネスモデルである。本研究では、多変量解析とfsQCAを用いて、小売ビジネスモデルと成果の関係を検討する。
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研究実績の概要 |
2022年度は当初計画通り、小売ビジネスモデル(以下、RBM)と方法論としての質的比較分析(以下、QCA)を用いた研究のレビューを実施した。 RBMに関しては、その構成要素についてのメタ研究が2019年に発表されて以降、経験的な研究はまだ蓄積していないことが明らかになった。その理由について現在、研究分担者と議論しているところだが、当初の想定通り、既存研究が依拠してきた分析アプローチ(分散ベースの統計手法)が足枷になっている可能性が高い。RBM研究のレビューの意義は、世界の小売研究における本研究課題の学術的な位置付けを明確にできたことである。 一方、QCAを用いた学術研究のレビューでは、当該方法論の進展と研究者コミュニティにおけるコンセンサスを把握することができた。ビジネス・マネジメント領域でQCAを用いた研究の蓄積が増えたのは2010年代の後半だが、それでも当該領域において多くの研究が発表されてきた現状が明らかになった。加えて、分析手順や妥当性の指標、頑健性の確認など、方法論としての発展も認められた。こうした動向を把握することは、本研究成果の発表(論文化)をスムースにすると言う点で重要であった。 QCAに関しては、方法としての特徴と流通・マーケティング研究への適用について国内学会で発表することで日本国内の研究者と議論を行った。これにより方法の理解が進むと共に、国内研究者コミュニティにおけるコンセンサスの形成に寄与できたと思われる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
おおむね順調に進展している理由は、本研究課題の初期フェーズが文献サーベイが中心となっているためである。 文献サーベイの進展はおおむね当初計画通りであった。小売研究をレビューすることで、小売ビジネスモデルの構成要素と、2022年度時点での研究者コミュニティにおけるfsQCAの方法論上の位置付けを確認することができた。QCAについては、研究者コミュニティでのコンセンサスは未だ形成段階にあるようである。関連文献をレビューすることにより、ある研究では報告されている指標が他の研究では報告されていないといった状況を確認することができたが、分析手順はほぼ定まっていると判断してよい状況であった。 一方、資料整理の進展は、文献サーベイほど順調ではなかった。小売ビジネスモデルに関する資料の渉猟範囲を決めるには概念の定義が必要となるが、これは小売ビジネスモデルに関する文献のレビューの進捗に依存するからである。そのため、資料の渉猟と整理は継続して実施していく。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、小売ビジネスモデル研究とfsQCAを用いた小売研究の文献サーベイを継続しつつ、小売ビジネスモデルに関する資料の渉猟・整理を進める。さらに、研究計画の第2フェーズである探索的な定性的調査を進めていく。小売業は歴史、空間を含む研究コンテクストの影響を受けやすい領域であるため、調査対象およびコンテクストの選定がきわめて重要になる。資料と文献サーベイから得られた知見を研究分担者と共有・議論し、定性的調査の準備を進めていく。ただし、小売企業やサードパーティ企業への聞き取り調査が必要となる場合は、コンプライアンスの遵守が強調される中で実施できるかどうか、そしてそれを研究に活かす許可が得られるかが鍵になる。これらについては、研究分担者と連携して進めていくが、諸事情により1次データが得られない場合は2次データでも研究が進められるように準備しておく。
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