研究課題/領域番号 |
22K01756
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07090:商学関連
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研究機関 | 立正大学 |
研究代表者 |
畠山 仁友 立正大学, 経営学部, 准教授 (50609922)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | クライシス・コミュニケーション / うわさ / 都市伝説 / 波及効果(spillover effect) / とばっちり / 危機 / 不祥事 / イメージ回復 / 評判 / イメージ回復理論 / 状況的クライシス・コミュニケーション理論 / ソーシャルメディア / デマ |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、企業が事故や自然災害、あるいは不祥事などによって、危機に陥ったときに、どのように大衆やステークホルダーと適切にコミュニケーションをとるのかについて、クライシス・コミュニケーションのメッセージ戦略について検討する。特に、ソーシャルメディアを用いたクライシス・コミュニケーションのあり方を、メッセージの継続性の観点から、Web調査等を用いて分析し、実践的なインプリケーションを導出することを目的としている。
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研究実績の概要 |
昨年度に引き続き、クライシス・コミュニケーションの対応として、企業のメッセージ戦略についての効果を検証した。この成果はヨーロッパ広告学会の年次大会(ICORIA2023)で発表した。クライシスの種類(責任の重さの違い)によって適切なメッセージを送ることが効果的であることが重要だということを検証できた。 加えて、本年度は違った観点からのクライシスを対象とした研究も行った。1つは、ソーシャルメディア上のうわさが評判や購買意向にどのように影響を与えるのかを検証した。都市伝説を対象として、根も歯もないうわさが観光目的地の選択に与える影響を検証した結果、「うわさを信じていないくても目的地選択に負の影響を与える」ことが明らかになった。この結果から、根拠のないうわさが立つことそのものが、レピュテーションのリスクになることを明らかにしたと考える。この成果は、日本消費者行動研究学会のカンファレンスで発表を行った。 もう1つは、一企業の不正が同業他社に与えるネガティブな影響を検証した。ある会社が不正をすると、不正をしていないのにも関わらず、他企業に疑いの目が向けられることがある。これをネガティブな波及効果と呼ぶ。こうした「とばっちり」とも言える波及効果がどのように起こるのかを検証した。その結果、一企業の不正のせいで業界への不信感が高くなった人は、他社への不信感も高まることが確認された。「A社が不正したらかB社も」という推論はせず、「A社が不正したから業界が疑わしい。業界が疑わしいからB社も」というプロセスを経ることを確認した。この成果は、日本広告学会全国大会で発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
申請時の計画書通り、消費者の評価、ソーシャルメディア上の話題といったデータの収集、およびメッセージ戦略の効果の検証ができたため、おおむね順調に進展している。また、ソーシャルメディアというテーマに基づいて、社会の現状に合わせ、問題だとされる現象に着目した研究もすることができている。
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今後の研究の推進方策 |
本年度の研究がおおむね順調に進展したことによって、研究は概ね計画書通りに進められた。ただ、研究計画書に記載した第3段階目の対応策については、効果的ではない知見が出ているため、修正を行う。クライシス・コミュニケーションの適切なタイミングについては、消費者の知覚に基づいたスピード感に着目して行う。スピード感が、消費者が知覚する情報の透明性や隠匿性にどのような影響を与えるのかを検証することにしたい。 またさまざまなクライシスの種類、対応の仕方が起きているため、現実の事象を追いながら調査を行う。
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