研究課題/領域番号 |
22K01758
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07090:商学関連
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研究機関 | 関西学院大学 |
研究代表者 |
西本 章宏 関西学院大学, 商学部, 教授 (10613185)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | デジタル消費 / 心理的所有感 / スマート・オブジェクト / アッセンブリッジ理論 / デジタル市場 / インターフェイス心理学 / 知覚拡張 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、消費者行動研究に関連する3つの最先端の知見に着目し、多面的な実証研究を考えている。第1の実証研究では、消費者の心理的所有感に着目して、デジタル空間上の消費者の購買行動について検証する。第2の実証研究では、消費者のインターフェイス心理に着目して、デジタル空間に没入する消費者心理について検証する。第3の実証研究では、消費者の知覚拡張に着目して、デジタル空間に対する消費者の能力について検証する。そして、これら3つの実証研究で得られたミクロ的知見を因果推論の分析デザインに落とし込むことによってマクロ的分析視角へと拡張し、新しいデジタル市場が創造されるメカニズムとその可能性を探求していく。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、デジタル消費における消費者心理と購買行動を検証することで、消費者行動研究の視点からデジタル空間上に新しい市場が創造されるメカニズムを明らかにすることである。令和5年度は、スマート・オブジェクトと消費者の間に生じる相互作用経験を中心に2つの研究を遂行した。 1つは、スマート・オブジェクトに対する消費者の製品アップグレード意思決定と心理的所有感の関係性についてである。パネルデータを用いて、どのような消費者が、どのタイミングで製品アップグレード意思決定を促進するのかについて明らかにした。また、それら製品アップグレード意思決定を抑制させる効果が心理的所有感にはあることを明らかにした。 もう1つは、アッセンブリッジ理論の視座からスマート・オブジェクトと消費者の間に生じる相互作用経験について検討を行った。実際にスマート・スピーカーを利用しているユーザーに調査を実施し、スマート・スピーカーのインテリジェンス特性がユーザーにポジティブな相互作用経験を与え、その帰結としてウェルビーイングな生活体験を得ていることが明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画通り研究活動が遂行されている。具体的には、2つの研究に対して、スマート・オブジェクトのユーザーにインタビュー調査を実施し、どのように生活の中でスマート・オブジェクトと相互作用を引き起こしているのかについて検討した。また、そこからユーザーに対してインターネット調査を実施し分析を行った。その結果は、令和6年度に開催される日本消費者行動研究学会で研究報告をすることが決まっている。
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今後の研究の推進方策 |
令和6年度は、令和5年度の研究成果を踏まえ、心理的所有感を起点としつつも、研究の焦点をスマート・オブジェクトと消費者の相互作用経験に移していく予定である。この研究文脈において、研究計画当初より着目していた消費者の知覚拡張を取り上げていく。また、当初の研究計画では、デジタルツイン(たとえばARとVRを活用したリアルとデジタルの二面世界)の状況下などを想定していたが、当該研究期間中にAIの急進的な普及が起こったこともあり、AIが実装されたスマート・オブジェクトを研究対象として、消費者の知覚拡張を促進させる心理的要因や心理的所有感の役割について検討していきたい。
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