研究課題/領域番号 |
22K01762
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07090:商学関連
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
本條 晴一郎 静岡大学, 工学部, 准教授 (50506748)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2025年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | ケアの倫理 / 正義の倫理 / サービス / ステークホルダー / ブランド / ソーシャルイノベーション / コミュニティ / 複雑系 / 市場創造 / エコシステム / ケア / デザイン / サイバネティックス / 多様性 / ユーザーイノベーション |
研究開始時の研究の概要 |
市場創造の一形態であるソーシャルイノベーションにおいて、単一の価値観を共有するコミュニティの存在が阻害要因に、異なる意味解釈をするステークホルダーの協働をデザイナーが促進してエコシステムを形成することが促進要因になることが示唆されている。本研究では市場創造が一般に実現されるにあたり、解釈の多様性と協働の促進がどのような有効性を持つかを、複数企業のケーススタディ研究によって明らかにする。その上で、困難とされているユーザーイノベーションの普及を実現する処方、および、ブランディングにおけるエコシステムの役割についての知見を引き出す。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、市場創造が実現されるにあたり、関係するステークホルダーが市場や製品の意味を多様に解釈していることがどのような有効性を持つかを明らかにすることである。本研究では市場創造の一形態として捉えられるソーシャルイノベーションの実現を念頭に置いた上で、解釈の多様性と協働の促進が市場創造にどのように貢献するかを、ケーススタディ研究によって一般化して明らかにする。さらに、困難とされているユーザーイノベーションの普及を実現する処方、および、ブランディングにおけるエコシステムの役割についての知見を引き出すことを目指す。 研究2年目である令和5年度は、(1)ケア概念に注目した理論研究および(2)対象企業についてのケーススタディ研究を実施しした。 (1)の理論研究においては、ソーシャルイノベーション研究において参照されるケア概念の先行研究にさかのぼり、文脈依存的で関係を重視するケアの倫理と普遍性を重視する正義の倫理の対比を、ビジネスの営為を分析できる形で整理した。さらに、コミュニティはデザインできないという言説について複雑系の観点によって整理した。その結果の一部は、翻訳を行った書籍に解説として所収して発表することで、知見の社会・国民への発信に努めた。 (2)のケーススタディ研究においては、(1)の成果を踏まえ、ケアの倫理と正義の倫理を競合説明とする探索的ケーススタディ研究を行った。その結果、ケアの倫理に則ったサービスであるサービス・ ウィズ・ケアを実践し成功を収めているビジネスが存在することが示された。成果は論文として発表し、知見の社会・国民への発信に努めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究初年度末に設定した研究2年目の推進方策は、(1)ケア概念に注目した理論研究、(2)施策レベルのデータ収集によるケーススタディ研究を行った上で、(3)研究成果の報告に努めることであった。研究2年目は不測の事態が起こることなく、これらを着実に遂行することができた。以上のことから、研究活動はおおむね順調に進展しているといえる。
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今後の研究の推進方策 |
研究3年目である令和6年度は、(1)ステークホルダーに関する理論研究、(2)さらなるケーススタディ研究を行った上で、(3)研究成果の報告に努める。 (1)の理論研究においては、サイバネティックスおよびデザインにおけるステークホルダーモデルに則って、ブランドマネジメントのあり方およびケアの倫理について整理する。 (2)のケーススタディ研究においては、探索的ケーススタディ研究で見出された結果を踏まえ、記述的あるいは因果的(説明的)ケーススタディ研究を実施する。 (3)の研究成果の報告においては、国内外の学会報告・学術論文公刊・査読付き論文雑誌での発表を行う。特に国外への発信を強化する。また、広く社会・国民に発信するため、書籍としての公刊や、ビジネスセミナーでの講演、公開研究会の開催、SNSを含むウェブサイトでの公開など、多種多様な形での発表を実施する予定である。
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