研究課題/領域番号 |
22K01766
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07090:商学関連
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研究機関 | 大阪公立大学 |
研究代表者 |
小林 哲 大阪公立大学, 大学院経営学研究科, 教授 (60225521)
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研究分担者 |
三井 雄一 西南学院大学, 商学部, 准教授 (00782145)
原 広司 横浜市立大学, 国際商学部, 准教授 (60824985)
佐藤 圭 甲南大学, 経営学部, 准教授 (80826602)
薮野 祥太 流通科学大学, 商学部, 講師 (30979688)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2023年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 特定保健用食品 / 消費者行動 / WTP(Willingness To Pay) / ブランド効果 / 便益遅延性 / 商品パッケージ / ゲイン・ロスフレーム / 消費者認知 / 特定保健用食品制度 / 健康増進法 / トクホマーク(ブランド)効果 / ヘルスクレーム(非顕在化リスク)反応 / 健康行動変容 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、日本の特定保健用食品制度に着目し、トクホマークやヘルスクレームが消費行動に及ぼす影響や、特定保健用食品の購買・使用による健康行動の変容を明らかにすることで、当制度の企業戦略への貢献(=経済的価値)と国民の健康への寄与(=社会的価値)の2つの側面について検討を行う。具体的には、①トクホマークの効果についてブランド論的視点からの分析、②ヘルスクレームによる非顕在化リスク知覚が及ぼす消費行動への効果の検討、③特定保健用食品の購買や使用の行動変容への寄与に関する考察を行う。本研究ではテキストマイニングや心理学や行動経済学に基づく統計処理、ベイズ統計などの分析手法を用いて多面的に捉える。
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研究実績の概要 |
令和5年度は、研究実施計画に基づき、昨年度実施した調査研究の成果を公表するととともに、特定保健用食品のトクホマークが製品評価に及ぼす影響に関して、ブランド論的観点から調査した。 第1に、昨年度の調査研究の研究成果の公表に関しては、昨年度実施した特定保健用食品の便益遅延性が消費者の製品評価に及ぼす影響に関する調査研究の成果を論文にて公表した。便益遅延性は、元来、サービスにおける概念だが、この概念をモノである特定保健用食品に援用し、状況限定的ではあるが特定保健用食品においても便益遅延性が存在することを明らかにした。 第2に、特定保健用食品等の機能性食品に対する消費者の一般的な評価を考察するため、ECの商品レビュー情報を使用して、データマイニングを行った。その結果、特定保健用食品と類似したものとして、機能性表示食品と栄養機能食品があるが、消費者は、この3つの区分ができていないこと、そして、個々の製品に対する信頼性の評価がなされていない(信頼性に差がない)ことが明らかになった。 第3に、商品パッケージにおけるトクホマークやヘルスクレームが消費者の製品評価に与える影響に関して調査分析を行った。本調査は、令和4年度に調査デザインに関して検討していた調査分析を実施したものであり、現在、その分析結果を論文にまとめている最中である。 なお、上述した研究を遂行するため、4月以降、月に一回程度のオンライン研究会を実施するとともに、半年に一度(令和5年9月と令和6年3月)に対面で研究会を実施し、研究課題に対する相互理解を図るとともに、円滑な研究実施のための打ち合わせを行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
実施計画より、やや遅れた第1の理由は、令和4年度に当初予定していたブランド論的視点からの特定保健用食品に関する実証分析の前に、特定保健用食品に対する消費者認知にマーケティング活動が及ぼす影響に関する調査を行った遅れをそのまま引き継ぎ、令和4年度の調査計画を令和5年度に実施したからである。また、特定保健用食品に対する生の声を分析するためデータマイニングを実施したことも、当初の計画から遅れている要因となっている。ただし、これらの追加調査分析を、本研究目的を達成する上で有意義なものであり、研究を遂行する上で必要な作業だと認識している。
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今後の研究の推進方策 |
令和6年度は、令和5年度の研究成果を論文にまとめ、学会等で公表するとともに、当初、令和5年度に実施する予定だったヘルスクレームによる非顕在化リスク知覚が及ぼす消費行動および特定保健用食品が消費者の健康行動に及ぼす行動変容に対する調査分析を行う予定である。 なお、これまでの調査により、特定保健用食品の消費自体が健康行動の行動変容に及ぼす影響がそれほど高くなく、情報提供の仕方を工夫したり、他のサービスとの連携を図ることで行動変容を促進する必要があるため、調査デザインの再考も含め検討する。また、ヘルスクレームによる非顕在化リスク知覚が及ぼす消費行動効果に関しては、ヘルスクレームがマーケティング活動の製品政策およびプロモーション政策の一部であることから、上述した調査に組み込んで行う予定である。
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