研究課題/領域番号 |
22K01768
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07090:商学関連
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
白井 美由里 慶應義塾大学, 商学部(三田), 教授 (10303067)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2025年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | サステナブル消費 / サステナブル製品 / 製品の擬人化 / 消費者行動 / サステナビリティ |
研究開始時の研究の概要 |
先行研究は,消費者による意図的な情報の回避や忘却,道徳的偽善,選択時のコンフリクトなどのネガティブな側面,サステナビリティ属性が重視される状況,およびサステナブル行動の社会的影響を明らかにしている。しかし,サステナブル消費行動の促進要因を分析する研究は十分に蓄積されていない。社会規範,内集団行動,行動/非行動の環境への影響などの情報提示の有効性を示した研究はあるが,それらには境界条件がある。本研究はサステナブル消費行動を促進する手段を複数提案するとともに、その心理的プロセスの解明を試みる。
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研究実績の概要 |
令和4年度は、サステナブル消費を促進する手段として、サステナブル製品の擬人化に焦点を当て、関連する研究を二つ行った。一つは、サステナブル製品の擬人化が消費者の製品評価に及ぼす影響とその心理的プロセスを解明する研究である。擬人化については、製品情報を操作する方法と製品画像を操作する方法を用いた。擬人化の有効性に関する仮説、個人的関連性知覚の媒介効果に関する仮説、および製品パッケージ知覚の媒介効果に関する仮説を立て、複数の実験を行い仮説を検証した。分析結果からは仮説を支持する結果が得られた。また、先行研究においてサステナブル製品の選択に関係する概念として示されていた「環境問題への心理的距離」を調整変数として含めた分析も行ったが、有意な結果は得られなかった。消費者は環境問題をやや身近な問題として捉えている傾向にあるが、環境問題に対する意識は製品擬人化効果とは関係しないことが示された。これらの結果の一部は国際学会で報告し、いくつかのコメントをいただくことができた。現在はその内容を英文論文にまとめており、令和5年度中に専門の海外のジャーナルに投稿する予定である。 もう一つは、サステナブル製品の擬人化と消費者の製品評価の関係に概念メタファーを考慮に入れた研究である。製品擬人化と概念メタファーを組み合わせたときの効果を検証した。最初の実験を行った後、その分析結果を踏まえた二つ目の実験を行い、年度末に二つ目の実験のデータ分析を終えたところである。これらの結果は令和5年度中に国際学会で報告するとともに、英文論文にまとめ、海外のジャーナルに投稿する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
令和4年度は初年度であったが、研究準備が整っていたため、比較的早く研究を開始することができた。時間的制約がかなりあった年度であったが、時間に余裕があるときに集中的に研究するようにしたため、実験を予定よりも多く行うことができた。また、本研究のテーマと一致する国際学会が都合の良いタイミングで開催され、そこで研究報告ができたことも本研究が計画以上に進展していると判断した理由である。
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今後の研究の推進方策 |
まず令和5年度は、令和4年度に行った二つの研究を完成させる予定である。一つ目の研究については現在執筆中の論文をできるだけ早く終えて海外ジャーナルに投稿し、二つ目の研究については国際学会で報告した後、論文にまとめ、海外ジャーナルに投稿する。 また、令和5年度は製品と消費者の関係性に焦点を当て、どのような関係性の提案が消費者のサステナブル製品に対する関心や評価を高めるのに有効かを分析する研究を開始する予定である。
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